アドフラウドとは?Web広告で増加する不正クリックの実態と「Spider AF」による対策!

◎Web広告を出しているけど、広告をクリックしているのは本当にユーザーなの?
◎広告費を使っている以上、不正なクリックやトラフィックもしっかり把握しておきたい!

Web広告を運用していると、クリック数やコンバージョン数、CPAなどの数値を確認する機会は多いでしょう。
しかし、そこで見えている「クリック」のすべてが、広告主にとって価値のあるユーザーによるものとは限りません!
プログラムによる自動クリックや、同じユーザーによる繰り返しクリック、VPNなどを利用した地域情報の偽装など、広告効果に寄与しない不正なトラフィックが発生することがあります!

こうした不正な広告トラフィックは「アドフラウド」と呼ばれています!
では、実際にどのくらいの規模で発生しているのでしょうか。
2026年9月、Spider Labsが「アドフラウド調査レポート2026 上期版」を公開しました。

同レポートでは、2026年上期のアドフラウド発生率が5.58%となり、2025年通年の4.32%から上昇したことが報告されています。
さらに、この発生率を2026年の国内インターネット広告市場規模に当てはめると、2026年上期だけで約1,000億円、年間では約2,000億円規模になる可能性があると試算されています。
そして、こうした広告の「見えない無駄」を把握するためのツールとして、Spider Labsが提供しているのが「Spider AF」です。

今回は、Spider Labsの調査結果をもとに、アドフラウドとは何なのか、どのような不正トラフィックが存在するのか、そしてWeb広告を運用する企業が確認しておきたいポイントについて詳しくご紹介します!!

アドフラウド対策ツール「Spider AF」とは?

ここで、今回の記事を読むうえで知っておきたいツールが「Spider AF」です。
Spider AFは、Web広告における不正クリックや不正トラフィックなどを検知し、広告費の無駄を抑えるためのアドフラウド対策ツールです。
広告を運用していると、管理画面上では「クリック」「コンバージョン」といった数字を見ることができます。

しかし、その数字の中にbotによるアクセスや不正なクリックなどが含まれている場合、実際のユーザーによる広告反応と区別しにくくなることがあります。
Spider AFでは、こうした広告トラフィックを分析し、アドフラウドの発生状況を可視化することができます。
公式サイトでは、媒体別やキャンペーン単位で不正傾向を確認できるレポート機能や、不正なトラフィック・botの活動を検出する機能などが紹介されています。

また、GoogleやMeta(Facebook)など、国内外の主要な広告プラットフォームにも対応しています。
広告運用において「クリック数」や「CPA」だけを見るのではなく、その数字を生み出しているトラフィックの中身まで確認したい場合に活用できるツールです。

 

Spider AFでできること

Spider AFでは、単純に「不正クリックがあるかどうか」を確認するだけではありません!
広告運用における不正トラフィックの状況を可視化し、どのようなアクセスが発生しているのかを確認するための機能が用意されています。

◎不正トラフィックの検知
botなどによる不正なアクセスやクリックを検知し、広告トラフィックの中にどの程度の不正が含まれているのかを確認できます。

◎媒体・キャンペーン単位での可視化
媒体別やキャンペーン単位で不正傾向を確認できるため、広告全体の数字だけでは分かりにくい問題を把握する際にも活用できます。

◎攻撃者の情報を確認
不正クリックなどについて、攻撃手法やIP、デバイス、国などの情報を確認できます。

◎主要広告プラットフォームに対応
公式サイトでは、GoogleやMeta(Facebook)などの主要広告プラットフォームへの対応が案内されています。
また、Yahooのリスティング・ディスプレイ広告や各種SNS、DSP広告など、幅広い広告環境への対応も紹介されています。

◎不正コンバージョンへの対策
Spider AFでは、不正クリックだけではなく、不正なコンバージョンへの対策にも対応しています。

広告運用では「クリックされているか」だけではなく、「発生したコンバージョンが本当に価値のあるものなのか」という視点も重要です。

 

そもそも「アドフラウド」とは?

アドフラウドとは、広告効果に寄与しない無効・不正な広告トラフィックのことです。

代表的なものとして、プログラムによる自動クリック、同一IP・ブラウザによる重複クリック、データセンター経由のアクセス、VPNなどを利用した地域偽装、ユーザーエージェントの偽装などがあります。

広告主から見ると、広告がクリックされたという事実だけでは、必ずしも「広告に興味を持ったユーザーが訪問した」とは判断できません。

例えば、広告をクリックしたユーザーが実際の人ではなくbotだった場合、そのクリックによって広告費が発生しても、商品購入や問い合わせといった本来期待していた広告効果にはつながらない可能性があります。

さらに注意したいのが、こうした不正なアクセスが広告の成果データそのものに影響する可能性があることです。

無効クリックや無効コンバージョンが広告データに混ざることで、広告効果を正しく判断しにくくなるだけでなく、AIによる広告配信の最適化にも影響する可能性があります。

 

アドフラウドにはどんな不正トラフィックがある?

アドフラウドと一口に言っても、その手口は一つではありません。

Spider Labsの2026年上期調査では、bot、データセンター経由、重複クリック、地域偽装、ユーザーエージェント偽装などが分類されています。

◎botによる自動クリック
プログラムによって自動的に広告をクリックするものです。
2026年上期のbotによる無効クリックは、2025年通年と比較して約2.2倍に増加しました。
単純に同じ操作を繰り返すタイプだけではなく、近年では人間の操作を模倣するような高度なbotも増えています。

◎重複クリック
同一IPや同一ブラウザから短時間に繰り返しクリックされるケースです。
2026年上期では、重複クリックが手口別の絶対量として最も大きな割合となっています。

◎データセンター経由
データセンターなどのIPアドレスから発生するアクセスです。
通常のユーザーによるアクセスとは異なる特徴を持つため、不正トラフィックの判定材料の一つになります。

◎地域偽装
VPNなどを利用し、実際の接続元とは異なる国や地域からアクセスしているように見せる手法です。
2026年上期の地域偽装は、2025年通年と比較して約2.3倍に増加しています。

◎ユーザーエージェント偽装
ブラウザや端末などの情報を偽装する手法です。
このように、アドフラウドには複数の手口が存在するため、「クリックが多い」「特定のIPからアクセスがある」といった一つの情報だけで判断することが難しくなっています。

 

2026年上期、アドフラウド発生率は5.58%に

ここからは、Spider Labsが公開した「アドフラウド調査レポート2026 上期版」の調査結果を見ていきましょう。
今回の調査では、2026年1月1日から6月30日までに「Spider AF」で計測された40.06億件の有料広告クリックを分析しています。
その結果、2026年上期の平均アドフラウド発生率は5.58%となりました。
2025年通年の4.32%と比較すると、1.26ポイント上昇しています。
つまり、広告クリック100件のうち、およそ5~6件が今回の調査基準における無効・不正なクリックに該当する計算です。

もちろん、これはSpider AFで計測・判定されたデータに基づく数値であり、日本国内のすべての広告クリックを直接測定した数字ではありません。
それでも、40.06億件という大規模なクリックデータを分析した調査結果であることから、Web広告を運用する企業にとって、広告トラフィックの品質を考えるきっかけになる数字と言えるでしょう。

 

年間では約2,000億円規模になる可能性も

今回の調査で特に注目されているのが、推計被害額です。
Spider Labsは、2026年上期のアドフラウド発生率5.58%を国内インターネット広告市場規模に当てはめ、上期の推計被害額を999億9,000万円と試算しています。
さらに、下期も同じ水準で推移した場合、2026年年間の推計被害額は約2,000億円規模になる可能性があるとしています。
ここで注意したいのは、「日本国内で実際に2,000億円の広告費が不正に失われたことが確認された」という意味ではないことです。
これは、電通が発表した2026年のインターネット広告媒体費予測に、Spider Labsが計測したアドフラウド発生率5.58%を当てはめた市場規模ベースの試算です。

そのため、記事内では「約2,000億円の被害が確定している」と捉えるのではなく、「同じ水準が続いた場合、年間では約2,000億円規模になる可能性がある」という点に注意する必要があります。

 

不正トラフィックは「量」だけでなく「質」も変化している

今回の調査で、もう一つ注目したいのがbotの高度化です。
従来のbotというと、プログラムによって同じ動作を機械的に繰り返すイメージがありました。
しかし、現在ではそうした単純なbotだけではありません。

Spider Labsの調査では、接続元を分散させたり、実際のブラウザを利用したり、カーソル移動やクリック間隔、スクロール、複数ページの閲覧など、人間の操作に近い挙動を示すbotが増えているとされています。
高度な挙動を示すbotの構成比は、2025年1月の20.4%から、2026年6月には64.4%まで上昇しました。
つまり、不正トラフィックは単純に「数が増えた」というだけではありません。
「人間のアクセスに見えるように高度化している」
という点も、広告運用において重要な変化となっています。

一つのIPアドレスだけを確認したり、クリックの回数だけを見たりする方法では、こうした高度な不正トラフィックを把握しにくくなる可能性があります。

 

「アドフラウド発生率が低い=安心」とは限らない

アドフラウドについて考えるとき、発生率だけに注目してしまうケースがあります。
しかし、Spider Labsの調査では、「発生率が高い媒体」と「被害が大きい媒体」は必ずしも同じではないことも示されています。
例えば、検索連動型広告は2026年上期のアドフラウド発生率が2.1%でした。
全体平均の5.58%と比較すると低い数字です。
ところが、検索連動型広告はクリック数そのものが多く、調査では4.76億件のクリックが計測され、失われたクリックは約1,000万件と試算されています。

このように、発生率が低くても、広告配信量が非常に大きければ、無効クリックの絶対数が大きくなる可能性があります。
そのため、広告運用では、「発生率が何%なのか」だけではなく、
「自社がどのチャネルにどれだけ広告費・配信量を投じているのか」という視点も重要になります。

 

AIによる広告最適化とアドフラウドの関係

近年のWeb広告では、AIを活用して入札や配信先、予算配分などを自動的に最適化する仕組みが広がっています。
広告運用の効率化という意味では非常に便利な仕組みですが、今回の調査では、AI最適化配信とMFAサイトの関係も取り上げられています。
MFAとは「Made For Advertising」の略称で、広告収益の獲得を主な目的として、広告表示や流入を集めるために作られたWebサイトを指します。
Spider Labsの調査によると、2026年上期にMFAサイトで消化された推定被害額の71%がAI最適化配信経由でした。
2025年通年では約62%だったため、AI最適化配信経由の割合が拡大しています。
これは「AIによる広告配信そのものが悪い」という意味ではありません。

むしろAIによる自動最適化が広がるほど、広告主側では「AIがどのようなデータをもとに最適化しているのか」「そのデータに無効なクリックやコンバージョンが混ざっていないか」といった視点が重要になっていると考えられます。

 

Web広告を運用する企業が確認しておきたいポイント

では、アドフラウドのリスクがある中で、広告主は何を確認すればよいのでしょうか。

◎広告の「量」だけではなく「質」を確認する
クリック数やコンバージョン数が増えているからといって、それだけで広告運用が改善しているとは限りません。
問い合わせの質、購入率、商談率、LTVなど、広告クリック後の成果まで確認することが大切です。

◎配信チャネルごとの状況を見る
全体の広告成果だけではなく、検索、ディスプレイ、SNS、アドネットワークなど、チャネルごとの配信量や成果を確認しましょう。
特に大量の広告費を投じているチャネルについては、発生率だけではなく、無効クリックの絶対数という視点からも確認することが重要です。

◎不自然な変化を放置しない
特定の期間だけクリック数が急増した、CV数は増えたのに問い合わせや購入につながらない、特定の流入元だけ成果の質が極端に低いなど、不自然な変化があれば原因を確認する必要があります。

◎AI最適化だからこそ「学習データ」を確認する
広告媒体のAI最適化が進むほど、どのようなデータを学習させるかが重要になります。
無効クリックや無効CVが混入した状態で広告の最適化が進むと、広告主が本来獲得したいユーザーとは異なる方向へ最適化される可能性もあります。
「CPAが合っているか」だけではなく、「そのCPAを生み出しているユーザーは本当に事業成果につながっているのか」というところまで確認していくことが重要です。

 

アドフラウドに関するよくある質問(FAQ)

Q. アドフラウドはすべてのWeb広告で発生するのでしょうか?
A. 広告媒体や配信環境などによって状況は異なります。
今回紹介したSpider Labsの調査では、広告効果に寄与しない無効・不正な有料クリックを対象としており、bot、データセンター経由、重複クリック、地域偽装、ユーザーエージェント偽装などを含めて集計しています。
そのため、「すべての広告で必ず同じ割合のアドフラウドが発生する」と考えるのではなく、自社の広告配信データを確認することが重要です。

Q. 2026年上期のアドフラウド発生率5.58%とは、日本の広告すべての5.58%が不正ということですか?
A. いいえ。
5.58%は、Spider AFで計測・判定された40.06億件の有料広告クリックをもとに算出された平均発生率です。
日本国内のすべての広告クリックを直接調査した数字ではありません。

Q. 2026年のアドフラウド被害額は本当に2,000億円なのですか?
A. 約2,000億円という数字は確定した実被害額ではありません。
2026年上期のアドフラウド発生率5.58%を国内インターネット広告市場規模に当てはめ、下期も同じ水準が続いた場合の年間推計として算出された数字です。
そのため、「年間約2,000億円規模になる可能性がある」という試算として捉える必要があります。

Q. botによる不正クリックは見分けられますか?
A. 不正トラフィックにはさまざまなタイプがあり、単純なbotだけではなく、人間の操作を模倣する高度なbotも確認されています。
そのため、一つのIPアドレスや一つの指標だけでは判断しにくいケースもあります。
Spider Labsの調査では、複数のシグナルを組み合わせてIVTを判定する方法が紹介されています。

Q. AIで広告を自動最適化していれば、アドフラウド対策も自動的にできるのでしょうか?
A. AIによる広告配信の最適化と、アドフラウドの検知・対策は同じものではありません。
広告媒体側の自動最適化が進んでも、どのようなユーザー・配信先から流入しているのか、無効クリックや無効CVが混ざっていないかなどを確認することは重要です。
特にAI最適化配信では、広告の「成果」だけでなく、その成果を生み出している「流入の中身」も確認していくことが大切です。

Q. アドフラウド対策では何を確認すればよいですか?
A. まずは、広告チャネルごとのクリック数、コンバージョン、成果の質などを確認し、不自然な変化がないかを見ることが基本です。また、広告配信量の大きいチャネルについては、発生率だけではなく、無効クリックの絶対数も確認することが重要です。

※今回の記事の主な参照元
・Spider Labs「アドフラウド調査レポート2026 上期版」
・Spider Labs「2026年上期の推計アドフラウド被害額は約1,000億円」
・Spider AF「アドフラウド対策」

※本記事のアドフラウドに関する数値・調査結果は、上記資料およびSpider Labsが公開している情報をもとに作成しています。推計値については、実際の国内広告市場全体の被害額を直接計測したものではありません。

 

まとめ

いかがでしたか?
今回は、Web広告における「アドフラウド」について、Spider Labsが公開した「アドフラウド調査レポート2026 上期版」をもとにご紹介しました。

2026年上期の調査では、アドフラウド発生率が5.58%となり、2025年通年の4.32%から上昇しています。
また、2026年上期だけで推計被害額は約1,000億円。
同じ水準が続いた場合、年間では約2,000億円規模になる可能性があると試算されています。

さらに注目したいのが、不正トラフィックの「高度化」です。
botによる無効クリックは増加しているだけではなく、人間の操作を模倣するような高度なbotの割合も増えています。
そして、MFAサイトで発生した推定被害額の71%がAI最適化配信経由だったという調査結果からも、AIによる広告配信が広がる中で「どのようなデータをもとに広告が最適化されているのか」を確認する重要性が高まっていることが分かります。
Web広告では、クリック数やコンバージョン数といった「数字」を見ることももちろん重要です。

しかし、その数字が「誰によって生み出されたものなのか」まで確認することも、これからの広告運用では重要なポイントになっていくでしょう。

広告費を有効に活用するためにも、配信量やCPAだけを見るのではなく、流入の品質や配信先、コンバージョンの中身など、広告データをより広い視点から確認していくことが大切です。

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