2020年 8月 06日

検索広告:キーワードの4つのマッチタイプについて

2020/08/06

Yahoo・Googleの検索広告で広告を表示させるキーワードを登録するときに、”マッチタイプ”を選択する必要があります。
マッチタイプには「部分一致」「絞り込み部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の4種類があり、設定によって広告を表示させるタイミングを絞り込むことができます。

今回はこの4つのマッチタイプについて説明していきます。

 

各マッチタイプ解説の前に…類似キーワードについて

2020年8月現在、どのマッチタイプにおいても、登録したキーワードの「類似キーワード」については広告表示の対象になります。
類似キーワードの定義について、Google広告の公式には下記のように記述があります。

キーワードのマッチタイプについて/Google広告
https://support.google.com/google-ads/answer/7478529?hl=ja&ref_topic=3122868

つづりの間違い、表記のゆれ(例: 「振り込み」と「振込」)、略語、英単語ではさらに単数や複数の違い、語形の変化(例: 「floor」と「flooring」)、頭文字などの短縮形のほか、一部語句を省略した表現、類義語、言い換え、同じ意味を持つキーワードのパターン。

なので、原則1つのキーワードに対して表記の揺れや略称、類義語をすべてキーワード登録する必要はありません。
(※ただし、細かい意図やニュアンスを持って配信したい場合はこの限りではありません。)

このことを踏まえた上で、次の項目から各マッチタイプの説明をしていきます。

 

部分一致

キーワードに何も記号を付けずに登録すると、「部分一致」として登録されます。
追加したキーワードそのものだけではなく、類義語や関連語句など、幅広い検索語句に対して広告が表示されます。
より関連性の高い広告を表示するために、ユーザーの最近の検索内容を踏まえた文脈も考慮される場合があります。

■主なメリット
・キーワード作成にかかる時間を節約できる。
関連語句にも自動的に広告を表示させてくれるため、事前にキーワードのあらゆる組み合わせを考えて網羅する必要がなくなります。
そのため、主要なキーワードをいくつか登録して素早く広告配信を始めることができます。

自分が考えつかなかったキーワードもカバーできる。
登録したキーワード以外にも拡張が行われるので、自分では思いつかなかったコンバージョンに繋がるキーワードを見つけられることがあります。
また、ユーザーの検索内容は日々変わっていきますので、機会損失も最大限に減らすことができます。

・多くのクリック数を集められる。
上記のように広い語句に対して広告配信が行われるため、サイトのアクセス数アップや認知拡大を目的に広告を配信したい時には、特に有効なマッチタイプになります。


■デメリット
・関係のない検索語句にも表示されやすい。
商材と関係のない語句にも広告が配信されてしまい、コンバージョンに繋がらず広告費がムダに…ということもあります。

・クリック率が低くなる。
表示機会が多く、関係ない語句にも配信されることがあるため、クリック率が低くなる→品質スコアが下がる→広告が表示されにくくなる…となることも考えられます。

⇒上記の2点の対策として、「除外キーワードを設定しておく」「単体キーワードだけで登録せず、必要に応じて2語・3語を掛け合わせる」「地域や年齢/性別、オーディエンスリストと組み合わせて絞り込む」ことが有効です。

 

■除外キーワードとして設定した時の動作
キーワード拡張が起きる部分一致ですが、“除外キーワード”として登録したときは拡張が起きず、後述の絞り込み部分一致と同じ動作をします。
必要以上にキーワードが拡張されることはありません。
除外されすぎないか心配!だから全部フレーズ一致で除外!としている場合は、除外の手間も考えて今一度キーワードの見直しをしてみてもいいかもしれません。

 

絞り込み部分一致

登録キーワードの先頭に「+」を付けると絞り込み部分一致としてキーワードを登録できます。
+を付けたキーワードそのもの、または類似キーワードに対して広告が配信されます。
また、キーワードの前後や間に別の語句があっても広告は表示されます。

 

また、絞り込み部分一致と部分一致を組み合わせてキーワード登録をすることも可能です。
その場合、下記のようにそれぞれ設定したマッチタイプに合わせてキーワードが拡張されます。

 

■主なメリット
・ある程度の意図を持ったままターゲットの拡張ができる。
絞り込み部分一致を使うと、ある程度の意図を保ったうえで、語句の拡張もできます。
そのため、全く関係ない検索には広告を表示させず、運用者の意図に沿ったタイミングで広告を表示させやすくなります。

・部分一致よりもクリック率が高い。
登録したキーワードや意図に近い状態で広告が表示されるので、部分一致と比べてクリック率が向上します。

⇒上記2点から、部分一致ほど除外の手間がかからず、フレーズ一致や完全一致ほど多くのキーワード数を登録する必要もないため、非常に使い勝手のいいマッチタイプになります。

 

■デメリット
・部分一致と比べると機会損失の可能性が高い。
部分一致と比較して表示機会が絞られるため、必要以上に配信も絞り込んでしまう可能性があります。
結果的に、商材を求めているユーザーまで広告が届かない・広告運用者が想定できなかったCVに繋がるキーワードが見つかりにくくなる…という事例が起きることもあります。

⇒対策として、先程挙げたように部分一致と絞り込み部分一致を組み合わせたキーワードを登録することで、大きな意図は保ったまま、部分一致でのキーワード拡張効果も見込めることができます。

 

フレーズ一致


登録キーワードを「””」で囲むとフレーズ一致としてキーワードを登録できます。
フレーズそのものと類似パターン、登録キーワードの前後に他の語句が含まれているときは広告が表示されます。
ただし、登録キーワードの間に無関係な語句が挟まれたときは広告は表示されません。

従来は語順が前後したときも広告が表示されませんでしたが、2020年8月現在、ヘルプページに「フレーズ一致のキーワードは、フレーズの意味が維持されている限り、単語を並べ替えることができます。」という記載があります。

【参考】フレーズ一致について/Google広告
https://support.google.com/google-ads/answer/2497584?hl=ja&ref_topic=3122868

■主なメリット
・より明確な意図で広告配信ができる。
4つのマッチタイプの中でも特に語順を重視するため、前後が入れ替わると意味合いが変わってしまうキーワードに対して使用するのに有効です。
絞り込み部分一致よりも検索意図やシチュエーションに沿ったキーワードに対して広告配信ができます。
かつ、完全一致よりも柔軟性があります。


■デメリット
・機会損失の可能性が高く、キーワード登録数も増える。
絞り込み部分一致同様、部分一致・絞り込み部分と比べて、さらに配信の機会が絞り込まれます。
また、パターンに合わせたキーワードの登録数も増えてしまうため、すべてをフレーズ一致で登録しようとするとキーワード管理が煩雑になります。

部分一致/絞り込み部分一致とうまく組み合わせてキーワード登録を行いましょう。

 

完全一致

登録キーワードを「[ ]」で囲むと、完全一致としてキーワードを登録できます。
従来は登録したキーワードと全く同じキーワードで検索された時に広告を表示…でしたが、2020年8月現在、「指定したキーワードと意味が同じ語句で検索が行われた際」にも広告が表示されるように変わっているので要注意です!


4つのマッチタイプの中で、一番表示の機会を絞り込むことができます。

【参考】完全一致を使用する/Google広告 ヘルプ
https://support.google.com/google-ads/answer/2497825?hl=ja&ref_topic=3122868

■主なメリット
・商材に最も高い関心を持つユーザー層に広告を表示できる。
キーワードや検索意図に完全に一致した場合に広告を表示できるため、4つのマッチタイプの中で一番商材に関心の高いユーザーからのクリックを見込めます。
確実にコンバージョンが取れそうなキーワードは、完全一致で登録することをオススメします。

 

■デメリット
・4つのマッチタイプの中で、一番表示機会が少ない。
検索意図に一番近い語句に表示機会を絞り込める → 結果的に他のマッチタイプに比べて表示回数が一番少なくなります。
合わせてクリック数やコンバージョン数も少なくなりますので、必要に応じて他のマッチタイプでもキーワード登録をしましょう。

 

まとめ

今回は検索広告のマッチタイプについて説明いたしました。
基礎的な部分になりますが、媒体の変化に合わせて動作が変わることもあります。
広告運用者は定期的にヘルプページを確認して最適な状態を探していくといいでしょう。

また、弊社では最適なキーワードの選定/マッチタイプ選択から広告運用の代行を行わせていただきます。
Web広告で売上を上げたい、でも運用方法がよくわからない…という場合はお気軽にご相談ください!

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