TikTok(ティックトック)広告アカウント作成手順

2025/06/09

TikTok広告の運用は中小企業にとって新規顧客獲得の大きなチャンスとして注目を集めていますが、始め方がわからず不安との声も少なくありません。アカウント作成方法、広告出稿手順、効果的に運用するポイントについて詳しく解説します。

中小企業のマーケティング担当者にとって、TikTok(ティックトック)広告は工夫次第で大きな成果をもたらす新たな手段です。低コストで若年層にアプローチできるのも大きなメリットです。

しかし、アカウント作成手順がわからず、運用で成果を出せるか不安に感じる方も少なくありません。

本記事ではTikTok広告のアカウント作成から広告出稿の手順、効果を出すための運用ポイントまで、初心者にもわかりやすく詳しく解説します。

 

TikTok広告とは

TikTok広告とは、SNS「TikTok」で配信できる短い動画形式の広告です。BGM付きのショート動画で視覚と聴覚に訴えかけ、通常の投稿に近いコンテンツとして受け入れられやすい特徴があります。

「広告」と表示はされますが、通常の動画投稿と変わらずに視聴されます。そのため、「広告」と認識されにくいことがメリットです。

特に、若年層に人気のTikTokでは膨大なユーザー層にリーチでき、ブランド認知の向上や商品プロモーションに効果的です。

 

 

TikTok広告のアカウントを作成する前にやるべきこと

TikTok広告のアカウントを作成する前に、スムーズな登録のため必要な情報を前もって揃えておくことが重要です。

企業の基本情報(会社名・住所など)、商材の公式サイトURL、広告で誘導するLP(ランディングページ)やアプリのURL、支払いに使うクレジットカード情報、配信用の動画素材(広告用動画)などが必要です。

事前に準備しておけば、登録や審査が滞りなく進み、TikTok広告を円滑に開始できます。

 

 

TikTok広告アカウント作成手順と広告の出し方

TikTokで広告を始めたいけれど、何から手を付ければよいか迷っている方は多いでしょう。

そこで、アカウントの作成から広告配信までの流れを詳しく紹介します。SNS広告が初めての方でも安心して取り組めるよう、実際の画面操作も交えながら、一つずつ順を追って解説していきます。

 

TikTok広告アカウントを作成する

まずは、TikTok広告の公式サイトから広告マネージャーのアカウントを作成しましょう。

 

TikTok広告マネージャーの登録ページにアクセスし、メールアドレスまたは電話番号を入力してパスワードを設定してください。

 

利用規約に同意して「登録」をクリックすると、入力したメールアドレスまたは電話番号宛に認証コードが送信されます。

コードを入力して確認を行えば、ログイン用アカウントの登録が完了です。アカウント作成は、無料で数分程度で完了します。

次に、ビジネス情報の入力画面へ進みましょう。

 

ビジネス情報を入力し審査を受ける

アカウント登録後、引き続き広告主としてのビジネス情報(国や業種、会社名、電話番号など)を入力します。

これらの情報はビジネスアカウントの審査に使用されるため、実際の事業内容に沿った正確な情報を登録しましょう。

全ての項目を入力して規約に同意し「続行」をクリックすると、広告アカウントの開設が完了します。

 

タグを設定する

TikTok広告でウェブサイトからのコンバージョン(成果)を計測するには、「TikTokピクセル」と呼ばれるタグ(コード)の設置が必要です。

TikTokピクセルを自社サイトに埋め込むことで、広告をクリックしたユーザーがサイト上でとった行動(閲覧や購入など)をTikTok広告マネージャーに伝えられます。

 

ピクセルを設定するには、広告マネージャーにログインして「ツール」>「イベント」と進み、「データソースを連携」で「ウェブサイト」を選択してピクセルを作成します。

発行されたピクセルコードを自社サイトの<head>内に追加すれば、タグの設置完了です。

 

イベントを設定する

ピクセルを設置しただけでは、どのアクションを成果(コンバージョン)として計測するかがTikTok側に伝わりません。そのため、計測したいアクションを明確に指定する必要があるのです。

そこで「イベント」の設定を行います。イベントとは、ユーザーの特定の行動(商品ページ閲覧、カート追加、購入など)を指し、広告マネージャーのイベントマネージャー画面で追跡する内容として登録します。

TikTokではあらかじめ用意された標準イベントから選択するか、任意のカスタムイベントを作成して設定が可能です。

コンバージョン地点にイベントを設定しておくことで、どの広告経由で何件の成果があったかがわかり、アルゴリズムがその成果の最大化に向けて配信を最適化してくれます。

 

TikTokオーディエンスを設定する

TikTok広告でオーディエンスを設定する際には、カスタムオーディエンスと類似オーディエンスの2種類があります。

カスタムオーディエンスは、TikTok広告マネージャーで顧客データやウェブサイト訪問者情報をアップロードして作成するリストです。このリストは、既存顧客へのリターゲティングに活用できます。

一方、類似オーディエンスは、作成済みのカスタムオーディエンスをもとにTikTokが自動生成するリストです。

オーディエンスは、「ツール」の「オーディエンスマネージャー」から設定が可能です。ここでは、カスタムオーディエンスと類似オーディエンスの両方の設定ができます。

 

キャンペーン・広告セットを作成する

キャンペーン・広告セットを作成するには、ホーム画面の「概要」ページから右上にある「広告を作成」をクリックしてください。

すると、下記画面が表示されるため、キャンペーンと広告セットの2段階で広告設定を行います。

キャンペーンを作成し、広告の目的(リーチ、トラフィック、動画視聴数など)を選択します。目的に沿って適切な項目を選びましょう。

続いて、広告セットの作成に進み、広告の配信対象(ターゲティング)、表示場所(プレースメント)、配信期間、入札方法など具体的な条件を設定しましょう。

 

これらキャンペーンと広告セットでの設定内容によって広告のパフォーマンスは大きく変わります。狙いに合わせて最適な設定になるよう工夫してみましょう。

 

目標予算を設定する

広告の配信予算は、1日あたりに使用する金額として設定します。事前に1日の上限額(目標予算)を決めておくことで、想定以上に広告費がかかりすぎるのを防げます。

たとえば、目標予算を1日5,000円に設定すれば、その日5,000円に達した時点で広告配信が一時停止され、予算を超えての費用は発生しません。

TikTok広告では、1日あたり5,000円〜の予算を設定できます。

予算設定はキャンペーン全体や広告セット単位で行えて、後から変更も可能です。初めての場合は無理のない金額から始め、広告の効果を見ながら必要に応じて調整していくとよいでしょう。

 

審査終了後に広告を配信する

全ての設定が完了したら、作成した広告を「すべて公開」をクリックし、審査を受けます。TikTok側で広告の内容やリンク先がポリシーに違反していないか確認され、多くの場合24時間以内に審査結果が通知されるでしょう。

問題なく承認されれば、設定したターゲットに向けて広告配信が開始されます。晴れて広告が公開された後は、広告マネージャー上で配信結果(インプレッション数、クリック数、コンバージョン数など)を確認できます。

広告が審査で拒否された場合は、指摘された問題点を修正した上で再度申請しましょう。

 

TikTok広告を運用する際の注意点

利用者が急増しているTikTokは、若年層へのリーチが期待できるため広告出稿先として注目されています。

しかし、TikTok広告を運用する際にはいくつか注意すべき点があるのです。ここでは、TikTok広告を運用する際の注意点について詳しく紹介します。

 

出稿前は広告審査がある

TikTok広告では、出稿前に必ず広告の内容審査があり、審査に通過しなければ広告は配信されません。審査ではTikTokのポリシーに沿ってコンテンツがチェックされるため、不適切な表現がある広告は却下されます。

たとえば、過度な誇張表現や利用規約に反する内容が含まれている広告は承認されません。

また、広告クリエイティブだけでなく、リンク先ページの内容も審査対象となる点に注意が必要です。万が一審査に落ちてしまっても、指摘事項を修正して再度申請は可能です。

問題なく審査を通過するためにも、事前にガイドラインを確認し、審査にかかる時間も考慮して余裕を持った出稿計画を立てましょう。

 

TikTok広告の運用を成功させるコツ

TikTok広告の運用で成功するには、クリエイティブの質やターゲティング、継続的なテストなど運用面での工夫が欠かせません。

ここでは、TikTok広告の運用を成功させるコツについて紹介します。

 

クリエイティブの質を高める

TikTok広告を成功させるには、クリエイティブの質を高めることが重要です。なぜなら、ユーザーは視聴開始から3秒以内に離脱するかを決めるため、冒頭で興味を引かなければ最後まで見てもらえないからです。

動画の最初にインパクトのある映像や「続きが気になる」ような仕掛けを入れてユーザーの心を掴みましょう。また、動画は短いほど効果的で、TikTokでは21〜34秒程度の尺が推奨 されています。

動画は縦型(9:16)で高解像度(720p以上)の映像にするなど、基本的な品質も担保しましょう。

短く凝縮した構成(冒頭で興味喚起→商品価値の提示→最後に明確な行動喚起)で、一気に視聴者を引き込みましょう。

 

 

ターゲティングを最適化する

ターゲティングの最適化も欠かせません。せっかく良い広告を作っても、関係のない相手に届いては成果につながりにくいからです。

TikTok広告では年齢、性別、地域、興味関心などの項目で配信相手を詳細に絞り込めます。

若い女性向けの商品なら「18〜24歳の女性」で設定し、さらに興味関心で「ファッション」に関連するユーザーを狙うなどです。

このように、ターゲットを明確にすれば無駄なインプレッションが減り、クリックやコンバージョンといった反応率が高まります。正確なターゲティング運用は広告費の浪費を防ぎ、結果として獲得コストの低減やROI(投資対効果)の向上にもつながるでしょう。

 

 

継続的にテストをする

良い数字を出し続けるには継続的なテストが不可欠です。一度設定した広告も放置せず、データを見ながら改善を繰り返しましょう。

たとえば、クリエイティブや広告文を2パターン用意してA/Bテストを行い、どちらが成果に結びつくか検証します。また、配信のタイミング(曜日・時間帯)や対象ユーザーを変えて効果の違いを比べる工夫も有効です。

テストでは複数の要素を同時に変更せず、一つずつ試すことがポイントです。テストを重ねて検証すれば、何が効果を高めている要因か明確になり、より優れた広告運用につながります。

常に仮説検証を回し続けることが、TikTok広告のパフォーマンス向上に欠かせません。

 

まとめ

本記事では、TikTok広告アカウント作成手順や、運用を成功させるためのポイントを紹介しました。

重要なのは、クリエイティブの質向上・的確なターゲティング・継続的なテストの3点です。初心者でもこれらを意識した運用を心がければ効率的に広告効果を高められるでしょう。

基本的な施策ですが、実践次第で結果も大きく変わるでしょう。成長著しいTikTokでは、早めに運用を開始してノウハウを蓄積すれば将来的な効果を最大化できるはずです。

まだ広告アカウントをお持ちでない方は、TikTok for Businessに登録して運用を始めてみてください。今回紹介したコツを踏まえて、ぜひ効果的なTikTok広告運用にチャレンジしてみましょう。

 

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