2025/03/03
近年、プライバシー保護の強化により、Web広告やマーケティング業界に大きな影響を与えるITP(Intelligent Tracking Prevention)の導入が進んでいます。
特にAppleのSafariブラウザでは、サードパーティCookieの利用が大幅に制限されており、広告効果測定やリターゲティングに影響を及ぼしています。
今回は、ITP対策の概要とその影響についてご紹介します。
ITPとは?
ITP(Intelligent Tracking Prevention)とは、AppleがSafariに実装したトラッキング防止機能で、ユーザーのプライバシー保護を目的としています。
2017年に導入されて以来、バージョンごとに規制が強化されており、現在ではサードパーティCookieのほぼ完全なブロックが行われています。
1-1. ITPの主な機能
✅ サードパーティCookieのブロック(リターゲティング広告に影響)
✅ ファーストパーティCookieの有効期限短縮(ユーザー識別の難化)
✅ トラッキングURLパラメータの削除(クリック計測への影響)
1-2. ITPの影響を受ける環境
ITPは、Apple製デバイスのSafariブラウザに適用されます。
✅iPhone・iPad(iOS・iPadOSのSafari)
✅Mac(macOSのSafari)
※iOS版のChromeやFirefoxもSafariのWebKitを使用しているため、ITPの影響を受けます。
一方、Windows・AndroidのChrome、Firefox、Edgeには適用されませんが、Chromeは2024年以降にPrivacy Sandboxを導入し、サードパーティCookieを段階的に廃止予定です。
ITPによるマーケティングへの影響
ITPの導入により、Web広告のパフォーマンスに影響が出ています。
2-1. 影響を受ける領域
🔻 リターゲティング広告の精度低下
→ サードパーティCookieがブロックされるため、過去に訪問したユーザーに広告を配信するのが難しくなる。
🔻 コンバージョン計測の精度低下
→ ファーストパーティCookieの有効期限が短縮され、長期間のコンバージョン測定が困難に。
🔻 広告パフォーマンスの最適化が難化
→ 計測データが不足することで、Google広告やFacebook広告の最適化精度が低下。
ITP対策の具体策
ITPの影響を軽減するために、以下の対策を導入することが重要です。
3-1. ファーストパーティデータの活用
💡 ファーストパーティCookieを活用し、サーバーサイドでデータを管理
サーバーサイドトラッキング(CAPI)を導入(Google、Facebookなど)
GA4のサーバーサイド設定を利用し、正確なコンバージョン計測を維持
3-2. サーバーサイドトラッキングの導入
💡 ブラウザに依存しないデータ収集を強化
Google Tag Manager(GTM)のサーバーサイドコンテナを利用
Facebook Conversions API(CAPI)を活用して、広告の最適化精度を維持
3-3. トラッキングパラメータの最適化
💡 ITPによるURLパラメータ削除に対応
GoogleのEnhanced Conversionsを活用し、サーバーサイドでデータ補完
utmパラメータの依存度を下げ、直接的なデータ計測に切り替え
3-4. コンバージョン計測のモデル化
💡 データ補完技術を活用して計測精度を向上
✅Google Consent Modeを利用し、プライバシーに配慮しながらデータ補完
✅Attribution Reporting APIを導入し、間接的な広告効果を測定
Google Chromeの動向と今後の対応
2024年からGoogle ChromeもサードパーティCookieの廃止を開始し、広告計測の環境が大きく変化します。
✅ 2024年1月 – 1%のユーザーでサードパーティCookieを無効化開始
✅ 2024年後半以降 – 全ユーザーでのサードパーティCookie廃止が予定されているが、正式なスケジュールは未定
これにより、Privacy Sandboxを活用した**「ITP対策に似た対応」**が求められます。
💡 対応策
✅Google Topics API(興味関心ベースのターゲティング)の活用
✅Protected Audience API(旧FLEDGE:リターゲティング代替技術)の導入
✅GA4、Enhanced Conversionsの最適化
まとめ
今回は、ITP対策の概要とその影響について、ご紹介しました。
ITPの影響は年々強化されており、広告やマーケティングの戦略を見直す必要があります。
特に、ファーストパーティデータの活用やサーバーサイドトラッキングの導入が今後の必須対策となります。
🔹 ITPの影響を受けるのはApple製デバイス(Safariブラウザ)
🔹 Google Chromeも2024年以降、ITPに似たサードパーティCookie規制を開始
🔹 ファーストパーティデータの活用、サーバーサイドトラッキングが重要
ITPの導入により、今まで計測できていたデータの計測ができにくい状況が今後更に拡がっていきます。
ITP対策をしっかりと行い、これからの広告運用に備えましょう!
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