【LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)】インストリーム広告の開始フローを改善、事前手続きが不要に

LINEヤフー株式会社が提供する「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)」において、動画マーケティングのスピード感を高める重要なアップデートが行われました。

2026年5月27日より、動画番組内に配信する「インストリーム広告」の事前アカウント設定が不要となり、配信までのプロセスが大幅に短縮されます。

今回は、大幅に強化されたメニューの概要と、簡素化された新しい設定手順、出稿前に確認しておくべき推奨予算などの注意点をまとめました。

 

LINEヤフー広告の「インストリーム広告」とは?主な配信面と強み

今回開始フローが改善されたインストリーム広告は、民放公式テレビ配信サービス「TVer」や、新しい未来のテレビ「ABEMA」といった、主要かつ信頼性の高い動画配信サービスの番組枠を活用する動画広告メニューです。

各サービスが持つプレミアムな配信面に対し、LINEヤフーが保有する豊富なユーザーデータ(検索履歴や興味関心など)を活用した高精度なターゲティングを行える点が最大の強みです。

スマートフォンやPCはもちろん、近年利用者が急増している「コネクテッドTV(インターネット接続テレビ)」の大画面にも配信でき、テレビCMに近い形で世帯認知を広げることが可能です。

また、普段からお使いの「LINEヤフー広告」の管理ツールから他の広告キャンペーンと一元管理できるため、運用の効率化にもつながります。

 

今回のアップデートでどう変わったのか?

従来、このインストリーム広告を利用する際には、配信を始める前に個別のアカウント設定手続きを行う必要があり、これが運用の迅速化における一つのハードルとなっていました。

今回のアップデートにより、この事前のアカウント設定手続きが全面的に廃止されました。

これにより、他の一般的な広告キャンペーンと同様に、広告管理ツール上で直接かつ即座にキャンペーンを作成することが可能になりました。

手続きのステップが削減されたことで、マーケティング施策のスケジュールに合わせた、よりタイムリーな広告出稿が実現します。

【新しい設定手順】
広告管理ツールの「キャンペーン目的選択」画面にて、以下の手順を選択するだけでキャンペーンを作成できます。

  1. 「動画再生」を選択
  2. 「プライベートマーケットプレイス」を選択

 

インストリーム広告が有効な「広告の目的」

インストリーム広告は、マーケティング戦略における「潜在層への認知拡大」から「見込み顧客への興味・関心の喚起」という、アッパーからミドルファネルの目的に対して高い効果を発揮します。

■「ブランド認知」と「商品理解」の促進
ユーザーが動画コンテンツをメインに視聴している環境(番組の前後や最中)で配信されるため、通常のWEBサイトの隙間にあるバナー枠などと比べて動画がスキップされにくく、音声付きで最後まで見てもらいやすい(高い視聴完了率)という特徴があります。

「新商品の存在を市場に広く認知させたい」「静止画や短いテキストだけでは伝わりにくい商品の機能やベネフィットを、ストーリー性のある動画で深く理解させたい」という目的において、非常に有効な配信手法となります。

■ターゲットの「純粋想起」の獲得
テレビCMのように、ユーザーがコンテンツに集中しているタイミングで大画面(コネクテッドTVなど)に動画を届けることができるため、ブランドの印象を深く植え付けることが可能です。

これにより、ユーザーが将来的にそのジャンルの商品・サービスを必要とした際に、自社のブランドを真っ先に思い出してもらう(純粋想起を高める)という目的に適しています。

 

一方で、インストリーム広告の特性上、以下のような目的での運用には不向きな側面もあります。

 

■コンバージョン(即時獲得)目的には不向き
テレビ画面や動画番組の視聴中に、コンテンツを中断して広告をクリックし、そのまま購入ページへ遷移するという行動はユーザーに起こりにくい傾向があります。

その為、Webサイトでの即時購入や会員登録、資料請求(コンバージョン獲得)を最優先の目的とする運用の場合は、インストリーム広告ではなく、通常の検索広告やWEBサイト上のディスプレイ広告を優先することをおすすめします。

 

主な活用シーンと事例

プレミアムな動画枠とLINEヤフーのデータを掛け合わせる本メニューは、以下のようなマーケティング課題を持つ企業に最適です。

■活用シーン1:耐久消費財や検討期間の長い商材の「純粋想起」向上
購入の頻度は高くないものの、必要になった瞬間に真っ先に自社ブランドを思い出してほしい商材(家電、自動車、住宅、BtoBサービスなど)において、大画面での動画視聴を通じて記憶に深く残るアプローチが可能です。

■活用シーン2:テレビCMのリーチ補完・若年層へのアプローチ
タイムシフト視聴やオンデマンド視聴が中心で、従来のリアルタイムのテレビCMでは届きにくくなった層に対し、TVerやABEMAを通じて確実に動画を届けることができます。

【導入事例:大手家電メーカーのケース】
ある大手家電メーカーでは、自社製品の購入検討時に真っ先にブランド名を思い出してもらう(純粋想起率の向上)ため、LINEヤフー広告のインストリーム広告を実施。

LINEヤフーが持つ高精度なビッグデータをもとにターゲットを絞り込んで動画広告を配信した結果、ブランドリフト調査において、商品の興味度や購入意向だけでなく、「再購入・利用意向」の項目にまで明らかな向上が見られるなど、単なる認知獲得に留まらない深いマーケティング成果を実現。

 

運用における主な仕様と注意点

開始フローが簡素化され、より迅速な出稿が可能になる一方で、インストリーム広告の特性に合わせた固有の仕様や注意点を把握しておく必要があります。

■課金とインプレッションのカウント方式
通常の動画広告(バナー枠などでスクロールに応じて再生されるものなど)とは異なり、インストリーム広告では「動画再生が開始された時点」でビューアブルインプレッション(広告が認知可能な状態)としてカウントされ、課金対象となります。

ユーザーが動画コンテンツを視聴する姿勢に入っているため、視認性とエンゲージメントが非常に高い一方で、カウントのタイミングが異なる点には留意が必要です。

■推奨予算の考え方(10万円以上〜)
最低予算の制限はなく、任意の金額での設定が可能ですが、効果的な運用のためのキャンペーン予算の目安として10万円以上が推奨されています。

これは、配信先がTVerやABEMAなどのプレミアムな動画枠であり、十分な配信ボリューム(インプレッション数)を確保して機械学習を最適化させるために、一定のまとまった予算が推奨されるという背景があります。

■事前の動画配信サービス側での手続き(必須)
LINEヤフー広告の広告管理ツールにおける事前設定は不要になりましたが、インストリーム広告を作成・配信するためには、事前に各動画配信サービス側(配信プラットフォーム側)での所定の手続きを完了させておく必要があります。

ツール上でキャンペーンを作成する前に、配信先との連携ステータスを確認しておくことが、スムーズな配信開始のポイントとなります。

 

インストリーム広告に関するよくある質問(FAQ)

Q. TVerやABEMAのどの番組に配信されるか、具体的に指定(枠買い)することはできますか?

A. いいえ、特定の番組を指定して広告を配信することはできません。

LINEヤフー広告のインストリーム広告は、各配信プラットフォーム(TVerやABEMAなど)が提供するプレミアムな動画枠全体に対して、LINEヤフーのターゲティングデータを掛け合わせて配信する仕組み(PMP)となっています。

Q. 最低出稿期間や、月ごとの契約縛りなどはありますか?
A. いいえ、ありません。

今回のアップデートにより、通常のディスプレイ広告(運用型)と同様の手順でいつでも管理画面から入稿・配信停止ができるようになったため、数日間の短期配信や、柔軟な期間設定が可能です。

Q. 広告として入稿できる動画の長さ(秒数)に制限はありますか?
A. はい、配信先となる動画配信サービス側の仕様に準じる必要があります。

一般的には15秒または30秒の動画素材が推奨されますが、詳細な入稿規定(アスペクト比やファイルサイズなど)は、事前に連携する動画配信サービス側の最新ガイドラインをご確認ください。

Q. 推奨予算の「10万円」を下回る金額(例:数万円)では、絶対に配信できないのでしょうか?
A. システム上の最低予算制限はないため配信自体は可能ですが、推奨されていません。

配信先がプレミアムな動画枠であるため、予算が少なすぎると十分なインプレッション(表示回数)を確保できず、広告配信の最適化(機械学習)がうまく進まない可能性が高くなります。

確実な成果を得るためにも、1キャンペーンあたり10万円以上の予算確保を強くおすすめします。

 

まとめ

今回は、LINEヤフー広告のディスプレイ広告(運用型)で「TVer」や「ABEMA」でインストリーム広告を配信する際の事前アカウント設定が不要になった件について、ご紹介しました。

今回のLINEヤフー広告におけるインストリーム広告の仕様変更に伴い、広告主が押さえておくべき要点は以下の3点です。

■出稿ハードルの低下と運用の迅速化
事前の個別アカウント設定というタイムラグの要因が全面的に廃止されました。

これにより、通常のディスプレイ広告と同様の手軽さで、マーケティング施策のスケジュールに合わせたタイムリーな広告出稿・運用が可能になりました。

■「認知・理解・純粋想起」への最適化と目的の見極め
TVerやABEMAなどのプレミアムな動画枠を視聴するユーザーに対し、LINEヤフーの高精度なデータを掛け合わせて配信できるため、高い視聴完了率が期待できます。

「ブランド認知の拡大」や「商品理解の促進」、将来の選択肢に入るための「純粋想起の獲得」には非常に有効ですが、コンバージョン獲得(即時獲得)を最優先とする場合は、他の広告メニューとの使い分けが必要です。

■実務における事前の手続きと推奨予算の確保
LINEヤフー広告の管理画面上での事前設定は不要になりましたが、配信を開始するためには「事前に各動画配信サービス側での所定の手続き」を完了させておく必要があります。

また、プレミアム枠での配信ボリュームを確保し、機械学習による最適化を円滑に進めるためにも、1キャンペーンあたり10万円以上の予算確保を目安として推奨します。

 

今回の開始フローの改善は、これまで「設定の手間」や「配信開始までのタイムラグ」を理由にインストリーム広告を躊躇していた広告主にとって、強力な追い風となります。

テレビCMに近い認知効果を持つプレミアムな動画枠へ、必要なタイミングですぐにアプローチできるようになったことで、動画マーケティングの選択肢がさらに広がったと言えます。

自社の商材特性や広告目的に合わせて、戦略的な一手としてインストリーム広告の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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