アートとデザイン

2020/08/29

アートって何だろう?

皆さんご存じの「アート」。
この「アート」と、日常生活で見かける広告などの「デザイン」とは何が違うんでしょうか。

では、まずウォーミングアップとして2つの「アート」作品をみていただきましょう。
これ、片方は非常に高額なアート作品なんです。
どちらが高額なアート作品だと思いますか?


Ellsworth Kelly, Green White / 1923

 

正解は・・・

 

 

 

 

1番の作品なんです!

この1番の作品ですがアメリカの画家のエルズワース・ケリー氏の作品で、価格がなんと1億6000万円するんです!家を建てたらかなり良いお家が建ちますね。
因みに右は私が描いた丸。価格0円です(笑)

 

どうしてこの誰でも描けそうな緑の丸が1億6000万円もするのか。
そう、これが「アート」や「デザイン」作品をみる時のカギになってきますので、
今回はそんなアートとデザインの違いにフォーカスしてみたいと思います。

 

 

なぜこんなに高額!? ~絵画の世界~

まず先ほどの緑の丸のアート作品を含め世界には誰でも描けそうな絵だけど数億円するという絵が沢山あるんです。
こちらの作品はマーク・ロスコ氏の作品で69.5億円。


Mark Rothko, White Center(Yellow, Pink and Lavender on Rose) / 1950

 

そして次、こちらの絵画なんですが、世界で一番高い絵と言われてる作品なんですがレオナルドダヴィンチ氏が描いた「サルバトール・ムンディ」という作品で価格はなんと508億円!
・・・想像するのも困難な金額です。


Leonardo da Vinci, Salvator Mundi / 1400-1500

 

なぜこのような金額になるのか?
まず美術作品は次の3つで成り立っています。

1.その作品に対しての価値
2.需要と供給
3.プレミア感

まず「価値」の部分。
これはその作品を描く時に使われた高度な描画テクニックであったり描かれた時代、その絵画スタイルが非常に革新的な意味を持つ作品であったりだとか。
まぁ要するにその絵にその価格の価値があるということです。

次に「需要と供給」というのはその作品に対して購入者がその価値がある!と思っているか否か。
分かりやすく言うと、あるミュージシャンの限定グッズが10万円で発売されます。それはファンの人にとっては10万円なら安い!と思うかもしれませんが、ファンで無い人からすると100円でもいらない!ということと同じですね。

そして最後の「プレミア感」。
先ほどの508億円の「サルバトール・ムンディ」を例にするとレオナルドダヴィンチ氏は描いた作品数が非常に少ない上、その作品のほとんどが美術館にあるものばかりで一般に出回っている作品がこの作品くらいしかなかったと言われています。
このような凄まじいプレミア感があることもあり、ここまでの高額な価格になったのかもしれませんね!

 

アートとデザインって何が違うの?

そう、マーク・ロスコ氏の抽象画のような、いかにも「アート」的な作品と一般に言われている「デザイン」ですがよく同じような意味合いで捉えてる方も多いと思うんですが、一体どのような違いがあるのでしょうか。

 

まずは「デザイン」。
「デザイン」とは、人が使う事を前提としてそのデザインに触れる人に、最適な形として表現することを目的としたモノが「デザイン」と言われています。
つまり、誰かの課題だったり問題を解決することを前提としたものということですね。
デザインを作る際のフローとしては次のようなイメージです。

1.誰かの課題と背景を見つける。
2.その課題解決の方法を試行錯誤する。
3.解決策をデザインとして表現し届ける。

 

次に「アート」。
簡単に言うとアートを作る人の「自己表現」を表したモノと言われています。
アートを作る人の価値観や、社会的な問題の捉え方などが作品として表現されるので、表現の幅は無限に広がるイメージです!

つまりまとめると「アート」と「デザイン」は簡単に言うと次のようなイメージで覚えて貰えたら大丈夫です。

デザイン = それを利用する人の課題解決
アート = 自己表現や問題提起

 

まとめ

いかがだったでしょうか?
デザインとアートの違い理解できたでしょうか!

まぁこれもデザイン業界あるあるですが、デザイン業界に入ってくるデザイナーで結構多くいるのが、自分の興味の無い堅い企業サイトや退屈なデザインの途中、「こんなデザインをする為に自分はデザイナーになったんじゃない!!」と言ってスパっと退社してしまう方が意外と多くいるんです。

気持ちは非常にわかるんですよね。
まぁ、そこに存在するのが「デザイン」と「アート」の違いだったりする事も多く。

なかなかこの「アート」と「デザイン」はデザイン業界にいる方でも結構混同している方が多く、ややこしい部分でもあるんですが、
違いを自分の中に落とし込めると日常生活で出会う「アート」や「デザイン」をもっと違った楽しみ方でみる事ができるようになりますので、是非、今回「アート」と「デザイン」の違いを覚えておいて頂けたらと思います!

 

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