2021/02/03
Web広告も、他の広告媒体と同じく、お客様に不利益がないように法律をベースにした広告審査が行われています。
法や規約に違反しているものは「審査落ち」になり、広告出稿はできなくなります。
悪意があるものは以ての外ですが、何気なくサイトに書いていた表現の中にも、実はNG…というものが混じっている場合があります。
今回は、各媒体の中でも特に近年、審査体制を強化している「Yahoo!広告」について、広告の出稿を行う前にLP・広告クリエイティブでチェックしておきたいポイントをまとめました。
商材そのもののチェック
①掲載できない商品でないかチェック。
配信準備を進めてから「規約上配信できない商品だった…」とならないよう、まず最初に下記のページを確認しておきましょう。
■掲載できない広告/Yahoo!広告ヘルプ
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/guideline/articledetail?lan=ja&aid=1527&o=default
商品でいうと、主に下記の商品が掲載不可としてあげられています。
・アダルト商品
・銃器やスタンガンなど武器として使用できるもの
・国内で商品されていない医薬品や医療機器
・超小型カメラなど盗聴、盗撮に繋がるもの
・ショッピング枠の現金化サービス
・たばこ、電子タバコ
また、「データ根拠のない非科学的なサービス」「投資やギャンブル関連のサービスで、投機心を強く煽るもの」も掲載ができません。
当然ながら法令・倫理的に問題や違反表現のあるものも掲載ができませんので、注意しましょう。
②特殊な掲載基準がないかチェック
ここに挙げられている業種、サービスについては、個別の掲載基準が設定されています。
有資格者であることの証明・料金形態の明記・クリエイティブのルールなど、広告配信を行う上でクリア必須な項目があります。
あとからサイトとクリエイティブを作り直し…とならないよう、こちらも事前にチェックしておきましょう。
第5章 業種、商品、サービスごとの掲載基準があるもの/Yahoo!広告ヘルプ
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/middlecategory?lan=ja&cid=1717&o=default
【個別の掲載基準がある業種一例】
・金融商品
・国家資格が必要な士業
・アルコール
・ギャンブル
・医療や美容関係
・人材派遣や求人、ナイトワーク求人
・旅行代理店や留学サービス
・出会い系サイト、結婚紹介サイト
・占いや開運
③「医薬関連品」「化粧品」「健康食品」「健康器具」の場合は、より厳しいチェック基準あり
上記に挙げた商材は、「薬機法」が関連するため、より厳しい掲載基準が設けられています。
商材の種類によって必須の表示項目、使ってはいけない表現が数多く存在します。
こちらも下記の公式ヘルプページを必ず確認し、LPやクリエイティブのチェックを行う必要があります。
また、Yahoo!広告の公式ラーニングポータルでは、具体的なチェックポイントや、抵触しないための表現も挙げられています。
具体例もありますので、一度目を通しておきましょう。
■第6章 薬機法などの広告表示規制および個別の掲載基準があるもの/Yahoo!広告ヘルプ
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/middlecategory?lan=ja&cid=1720&o=default
■ガイドライン・審査/Yahoo!広告 公式ラーニングポータル
https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/guideline/
また、審査落ちになった場合は、Yahoo!側に抵触箇所を確認したり、表現方法のアドバイスを貰ったりすることも可能です。
LPの動作と主体者表記について
①ユーザーが意図しないブラウザ操作が行われないか
下記のような「ユーザーの意思確認なくブラウザ操作が行われる」ページは広告配信ができません。
・バックボタンで前のページに戻れない。
・ブラウザの大きさや位置を強制的に変更する。
・意思確認を行わず、いきなりファイルのダウンロードやアプリの起動が行われる。
また、上記に関連して「作成中のサイト・リンク切れ・表示が崩れるサイト」など通常の環境で表示できないものも広告配信ができません。
②ウェブサイト上に主体者情報が明記されているか
リンク先のサイト上に、主体者の情報を「必ずテキスト形式で」表記しておく必要があります。
「運営者情報」のようなページを作っておくのが一般的です。
広告を見たユーザーが、なにかあったときに問い合わせをできるように情報を明記しましょう。
・主体者がわかる会社名か氏名
・会社名がない場合はサイト所有者の個人名
・主体者の住所(法人の場合は本社/営業所どちらか)
・電話番号
個人事業主の”屋号”や、セミナー主催などに使われる”事務局名”は会社名として認められません。
サイト内/広告の「表現」について
誰でも出稿ができるWeb広告も、「景品表示法」「薬機法」などの法律に則った審査が行われています。
「事実に即していないことは書かない」「書く場合は根拠となる客観的なデータを示す」「過剰な表現はしない」という基本的な事項を守る必要があります。
また、成果を謳ったりお客様の声などを挙げる場合にも、ポイントごとに根拠の明記と「必ず成果を保証するものではない」と注釈を入れることが必要です。
①優良誤認に繋がる”不当表示”は禁止
商品の品質を実際のものより優れているように記載したり、”他社よりも優れている”と根拠なく書いたりすることはできません。
また、商品を実際よりも安いと誤認させる”有利誤認表示”も禁止されています。
【NG例】
・カシミヤ50%のセーターを100%と偽って表示
・根拠のデータを示さずに「地域トップクラスの〇〇」「業界で一番の〇〇」と記載すること
・常に安く販売しており、定価で販売した実績がない商品を「今だけ半額」のように”今だけ安い”と誤解させる。
・他の会社でも提供しているサービスを「〇〇ができるのはXXだけ」のように自社だけが行っていると表示。
・継続購入が必要な商品で、そういった条件がわかりやすく明記されていない。
②ナンバーワン、最高表現をするときは1年以内の根拠データを
「日本一」「ナンバーワン」「最小」「最速」など、”最上級”の表示があるときは、根拠データを示す必要があります。
また、提示するデータにも下記の条件があります。
・根拠となるデータの領域、調査範囲を明確にする。
・データの出典、調査機関名、調査都市を表示。
・1年以内の調査結果を正確に引用する。
Yahoo!広告の公式ヘルプでは、下記の表示に注意が必要と挙げられています。
世界一、日本一、ナンバーワン、第一位、一番、ピカイチ、トップ、最初、最大、最大規模、最小、最安値、最高、最強、最優秀、最高峰、首位、ベスト、チャンピオン、ダントツ、最も、至高、初めて、最初に、日本初、正開発、第一号、第一人者、元祖、これまでにない、唯一、当社だけ、よそにはない、独占
③他社との比較表現をするときも根拠データを
こちらも根拠となるデータなく「B社よりも高性能」「B社よりもお買い得」のように比較する表現はできません。
もし比較を行う場合は、下記3点をクリアしたデータを記載する必要があります。
・主張する内容が客観的に実証されていること
・比較されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること。
・比較の方法が公正であること
④”消費税の負担軽減”表記はしない
下記のような”消費者が消費税を負担しない”と誤認を与える表記も禁止となっています。
ただし、”消費税にはかからない”表現であれば掲載が可能です。
【NG例】
「消費税は頂かない」「当店が負担」「消費税分のポイントを付与」
【OK例】
「8%値下げ」「8%還元」「8%分のポイント付与」
クリエイティブ上の表現について
①主体者名の明記は必須!
クリエイティブ内にも必ず下記どちらかで主体者名を表記する必要があります。
・「提供:〇〇」の形で主体者名をテキスト表記
・ロゴマークで会社名/ブランド名/商品名/サービス名どれかを表記
本来はテキスト広告にも表記をする必要がありますが、文字数の都合上で難しい場合は省略可とされています。
②バナーの場合は枠線が必須!
バナーの周りには、どこまでが”広告”の領域かわかるようにするための枠線が必要です。
③バナー上での動作機能の誤解を与えない
実際には動作しない再生ボタンを描いたり、バナー表記と別サイトにリンクするようなクリエイティブも掲載不可になります。
・画像内に検索窓や再生ボタン、閉じるボタンを付ける
・クリエイティブ上にある企業情報と全くの別サイトに遷移する
・通販サイトと偽ってクレジットカードの入会サイトに誘導
・官公庁や公的機関の広告と受け取られるもの
④不快感を持たれるクリエイティブも禁止!
広告を見た人が迷惑、不快と感じるような画像や表現も禁止です。
商材によっては「コンプレックスの露骨な表現」「不安を煽る表現」にも十分配慮しましょう。
・目や口など特定の部位を強調する
・コンプレックスを露骨に表現する
・ホラー画像や”不幸になります”のような不安を煽る表現
・点滅、高速振動する動画やアニメ
・画像が荒い
最後に
今回はYahoo!広告での、審査面からのLP・クリエイティブのチェックポイントを説明しました。
広告を見るお客様に誤解を生まないよう、クリーンなコンテンツを作っていきましょう。
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