2025/03/04
先日、ヤフーよりYahoo!ディスプレイ広告(運用型)でサイトリターゲティング機能を拡張するというリリースがありました。
この機能拡張は、ソフトバンク端末のIPアドレス情報を活用することで今後拡大していくcookieレスに対応する為の機能とのことです。
今回は、Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)のサイトリターゲティングで実施される機能拡張について、ご紹介します。
新機能の概要
これまでYahoo!ディスプレイ広告(運用型)のサイトリターゲティングは、主にクッキーを利用することでオーディエンスリストの蓄積をしていました。
しかし、プライバシー保護の強化に伴い、クッキー依存の広告手法が制限される流れの中では、クッキーを活用したリターゲティング配信が減少していくことになります。
そんな中で、サイトリターゲティングの改善手法として、IPアドレスを活用した新しいターゲティング手法が導入されることになっております。
具体的には、ソフトバンクのネットワークを利用するユーザーのIPアドレス情報をもとに、広告主のウェブサイトを訪れたユーザーに対してリターゲティング広告を配信する仕組みです。
■拡張によるメリット
広告配信量の増加
・ソフトバンク端末のネットワークデータを活用することで、リターゲティングの対象ユーザーが増加し、広告のリーチが広がる。
ターゲティング精度の向上
・IPアドレスを利用することで、従来のクッキー方式では捉えきれなかったユーザーにも広告配信が可能。
クッキーレス時代への対応
・近年、プライバシー規制が強化され、ブラウザのクッキー利用が制限される流れが進んでいる。IPアドレスを活用することで、クッキーに頼らない広告配信が可能になる。
■デメリットや注意点
⚠ プライバシー対応の負担増
・IPアドレスを利用するため、電気通信事業法の「外部送信規律」に該当する可能性がある。
・広告主やウェブサイト運営者は、「どのデータが外部に送信されるのか」を明示し、適切な開示を行う必要がある。
※詳しくは外部送信規律のガイドラインを参照ください。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000862755.pdf
⚠ ソフトバンクユーザーに限定される
・IPアドレス情報を活用するのはソフトバンクのネットワークを利用するユーザーのみ。
・ドコモ・au・楽天モバイルなど、他キャリアのユーザーには適用されないため、広告リーチが一部制限される。
⚠ VPNやプライバシー設定の影響
・ユーザーがVPNを利用したり、iOS・Androidのプライバシー機能を有効にすると、IPアドレスを使ったターゲティングの精度が低下する可能性がある。
■広告主はどう対応すべきか?
この機能を活用するには、広告主やウェブサイト運営者が適切なプライバシー対応を行うことが前提となります。具体的には、以下の対応が求められます。
プライバシーポリシーの更新
・IPアドレス情報の利用について明記し、ユーザーに分かりやすく説明する。
適切な開示と同意取得
・「外部送信規律」に対応し、ユーザーに適切な情報提供を行う。
ターゲティングのパフォーマンスを検証
・IPアドレスを利用したターゲティングが、既存のクッキーベースのリターゲティングと比べて効果的かどうかを分析する。
■ソフトバンク株式会社へデータの送信を希望しない場合
ソフトバンク株式会社へデータを送信したくない場合は、サイトリターゲティングタグに下記赤文字の部分を追記することでソフトバンク株式会社へデータの送信がされないとのことです。
■タグ実装イメージ
<script async src=”https://s.yimg.jp/images/listing/tool/cv/ytag.js”></script>
<script>
window.yjDataLayer = window.yjDataLayer || [];
function ytag() { yjDataLayer.push(arguments); }
ytag({
“type”:”yjad_retargeting”,
“config”:{
“yahoo_retargeting_id”: ” xxxxx “,
“yahoo_retargeting_label”: “xxxxx”,
“yahoo_external_transmission_optout”: true
}
});
</script>
この仕様変更は、2025年4月14日に実施予定の為、対応が必要な場合は早めに対応するようにしましょう。
まとめ
今回は、Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)でサイトリターゲティング機能が拡張される件について、ご紹介しました。
Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)のサイトリターゲティング機能拡張は、クッキーレス時代の新しいターゲティング手法として期待される一方でプライバシー対応の負担も増加します。
広告主は、メリットとリスクを慎重に検討しながら、適切な対策を講じることが重要です。
特に、電気通信事業法への対応や、ユーザーへの透明性確保が今後の広告運用において鍵となるでしょう。
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