2025/07/19
「オンライン販売に興味はあるけど、初期費用や手間が気になる…」
「SNSをマーケティングに活用しているけど、直接販売に繋げたい」
「ECサイトは持っているけど、もっと集客力を高めたい」
—もしあなたがこんな悩みを抱えているなら、FacebookショップとInstagramショップは、その解決策となるかもしれません。
日々多くの人が利用するSNS上であなたの商品を直接見てもらい、購買へとスムーズに誘導できるFacebookショップとInstagramショップは、Metaが提供している低コストで始められる強力なEC促進ツールです。
しかも、基本的な機能は無料で利用開始できます。
今回は、FacebookショップとInstagramショップの全体像から、導入のメリット・デメリット、基本的な始め方、そして成功のためのヒントなどをご紹介します。
FacebookショップとInstagramショップとは?
まず、FacebookショップとInstagramショップがそれぞれどんな機能で、どう連携しているのかを見ていきましょう。
Facebookショップ:Facebookページに開設するオンラインストア
Facebookショップは、あなたのFacebookページ内にオンラインストアを開設できる機能です。
まるで自社のECサイトのように、商品のカタログを作成して表示できます。
ユーザーはFacebook上で商品を閲覧し、気になる商品があれば、そのままあなたの指定するECサイトへ移動して購入を完了できます。
Facebookは幅広い年齢層のユーザーに利用されており、ビジネス関連の情報収集にも使われることが多い為、多様な顧客層にアプローチできる点が特徴です。
Instagramショップ:投稿から直接購入へ繋げる
一方、Instagramショップは、Instagramのフィード投稿やストーリーズ、リールに写っている商品に直接商品タグを付けられる機能です。
ユーザーは商品タグをタップするだけで商品の詳細情報(価格や説明など)を確認でき、さらに購入ページ(外部ECサイト)へスムーズに移動できます。
Instagramは写真や動画といった視覚情報がメインのSNSであるため、アパレルやコスメ、食品、インテリアなど、商品のビジュアルが購買意欲を左右するビジネスに特に効果的です。若年層の利用者が多いのも特徴の一つです。
両者の連携と共通点:コマースマネージャーで一元管理
FacebookショップとInstagramショップは、それぞれ独立した機能に見えますが、実はMeta社の「コマースマネージャー」を通じて密接に連携しています。
コマースマネージャーで一度商品のカタログを作成すれば、それをFacebookショップとInstagramショップの両方に表示させることが可能です。
これにより、商品の情報管理が効率化され、両方のプラットフォームで一貫した商品体験を提供できます。
ただし、日本国内においては、現状FacebookショップもInstagramショップも、商品の最終的な購入はほとんどの場合、自社のECサイト(Shopify、BASE、自社開発サイトなど)へ誘導する形がメインとなります。
アプリ内で直接決済が完結する機能は、一部のテスト的な導入を除き、まだ本格的に提供されていません。この点は、運用を始める上で非常に重要なポイントなので覚えておきましょう。
なぜ今、SNSショップが注目されるのか?
現代において、SNSは単なるコミュニケーションツールではなく、情報収集や購買行動の重要な起点となっています。
多くの人が日々SNSをチェックする中で、偶発的に商品と出会い、そのまま興味を持って購入に至るケースが増えています。
SNSショップは、ユーザーが普段使い慣れているプラットフォーム上で商品を「発見」し、興味を持ったその瞬間に「購入」へとスムーズに繋げられるため、従来のECサイトへの誘導よりも機会損失を減らし、効率的な販売促進を実現できるとして注目されているのです。
Facebook/Instagramショップを導入するメリット
FacebookショップとInstagramショップを導入することで、あなたのビジネスは多くの恩恵を受けられます。主なメリットを見ていきましょう。
1. 低コストで始められる
最大のメリットの一つは、初期費用や月額費用が基本的に無料であることです。
自社でECサイトを構築したり、既存のモールに出店したりする場合に比べて、大幅にコストを抑えてオンライン販売をスタートできます。
すでにFacebookページやInstagramビジネスアカウントを持っているなら、それを活用してすぐに始めることが可能です。
2. 圧倒的な集客力
FacebookとInstagramは、日本国内だけでも数千万人のユーザーを抱える巨大なプラットフォームです。
この膨大なユーザー層に直接アプローチできる集客力は、SNSショップならではの強みです。
さらに、Meta社の強力な広告機能と連携させることで、商品のターゲット層にピンポイントで広告を配信し、効率的に潜在顧客をショップに誘導できます。
3. スムーズな購買体験
SNSショップは、ユーザーが商品を発見してから購入するまでの導線を極めてスムーズにします。
Instagramで魅力的な投稿を見て興味を持った商品にタグが付いていれば、その場で詳細を確認し、スムーズに外部ECサイトへ移動して購入できます。
ユーザーの「買いたい」という気持ちが最高潮の時に、迷うことなく次のアクションへ移れる為、購入の機会損失を最小限に抑えられます。
4. ブランド構築とエンゲージメント強化
商品単体の魅力だけでなく、日々のSNS投稿を通じてブランドの世界観やストーリーを伝えることで、より深い顧客体験を提供できます。ユーザーはただ商品を買うだけでなく、ブランドへの共感を深め、ファンになる可能性が高まります。
また、コメントやDMを通じて顧客と直接コミュニケーションを取ることで、エンゲージメントを強化し、顧客ロイヤルティを高めることも可能です。
5. データ分析と改善
Facebookのビジネスマネージャーやコマースマネージャーでは、ショップのパフォーマンスに関する詳細なデータを確認できます。どの商品が人気なのか、どの投稿から多くクリックされているのかなどを分析し、今後の商品戦略やプロモーション施策の改善に役立てられます。
知っておきたいデメリットと注意点
多くのメリットがある一方で、FacebookショップとInstagramショップを始める前に知っておくべきデメリットと注意点もあります。
1. 日本国内での決済フローの現状
前述の通り、現状日本ではMetaアプリ内での直接決済が広く提供されていません。
その為、ユーザーは商品タグやショップのリンクから外部のECサイトへ移動して購入を完了することになります。
この「外部サイトへの遷移」という一手間が、場合によってはユーザーの離脱、つまり「カゴ落ち」に繋がる可能性があります。
将来的にアプリ内決済が日本でも本格的に導入されれば、この点は解消されると期待されていますが、現時点では外部サイトへの誘導を前提とした戦略を立てる必要があります。
2. 設定と運用の手間
無料で始められるとはいえ、ショップの開設にはいくつかの設定ステップが必要です。
Facebookページ、Instagramビジネスアカウント、ビジネスマネージャー、コマースマネージャーといった複数のツールを連携させる必要があり、初めての方にとっては少し複雑に感じるかもしれません。
また、商品の登録作業や商品説明の作成、日々の投稿とショッピング機能の連携など、継続的な運用にかかる手間も考慮する必要があります。
3. Metaのガイドラインとポリシー
FacebookとInstagramで販売できる商品や表現には、Meta社が定める「コマースポリシー」やその他のガイドラインが適用されます。
例えば、特定の種類の商材(医薬品、アルコール、武器など)は販売が禁止されていたり、誤解を招くような表現は許可されなかったりします。
これらのポリシーに違反した場合、商品の表示が停止されたり、最悪の場合ショップ機能そのものが利用できなくなる可能性もある為、事前にしっかりと確認し、遵守することが重要です。
4. 競争の激化
FacebookとInstagramショップのメリットが広く知られるにつれて、多くの企業や個人が参入しています。
その為、ただショップを開設するだけでは、競合の中に埋もれてしまう可能性もあります。
自社の商品やブランドを差別化し、ユーザーの目を引く魅力的なコンテンツを継続的に発信していくための戦略が不可欠となります。
Facebook/Instagramショップの始め方(基本的なステップ)
ここからは、FacebookショップとInstagramショップを開設するための大まかなステップをご紹介します。
■準備するもの
FacebookショップとInstagramショップを開設するには、主に以下のものが必要です。
どちらのショップ機能を利用するかによって、特に必要となるものが異なります。
▼共通して必要となるもの
・Metaアカウント(Facebook個人アカウント)
すでに持っている方がほとんどでしょう。ビジネス設定の基盤となります。
・ECサイト
商品を販売し、最終的な購入を受け付けるウェブサイトです。Shopify、BASE、STORESなどのECプラットフォーム、または自社開発サイトなどが一般的です。
▼Facebookショップに特に必要となるもの
・Facebookページ
あなたのビジネスやブランドの公式ページが必要です。ショップはこのページ内に開設されます。
▼Instagramショップに特に必要となるもの
・Instagramビジネスアカウント
プロフィール設定から簡単に切り替えられます。ショップ機能を利用するにはビジネスアカウントである必要があります。
■大まかな設定フロー
1.FacebookとInstagramアカウントの連携
まず、あなたのFacebookページとInstagramビジネスアカウントを連携させます。これはビジネスマネージャー内で行うことが多いです。
2.Facebookビジネスマネージャーの作成と設定
複数のFacebookページや広告アカウント、Instagramアカウントを一元管理するためのツールです。ここでビジネスアカウントを作成し、必要な権限を設定します。
3.ドメイン認証(任意だが推奨)
あなたのECサイトのドメインが、あなたのビジネスのものであることをMetaに証明する手続きです。
以前は広告のコンバージョン計測に必須とされていましたが、現在は必須ではありません。
しかし、ドメインの不正利用を防ぎ、広告アカウントの信頼性を高め、広告パフォーマンスへの潜在的な悪影響を回避するために、設定しておくことが推奨されます。
4.コマースマネージャーでのカタログ作成と商品登録
コマースマネージャーにアクセスし、商品カタログを作成します。商品画像、商品名、価格、商品説明、ECサイトへのリンクなどを登録していきます。
ShopifyなどのECプラットフォームを利用している場合、自動でカタログを連携できる機能が提供されていることも多いです。
5.Facebookショップの設定(Facebookショップを開設する場合)
コマースマネージャーで作成したカタログを元に、Facebookページにショップセクションを追加し、表示設定を行います。
6.Instagramショッピング機能の申請と承認(Instagramショップを開設する場合)
Instagramアプリからショッピング機能の利用申請を行います。
Meta社による審査があり、承認されると投稿に商品タグを付けられるようになります。審査には数日かかることもあります。
これらのステップを順に進めることで、あなたのFacebookページとInstagramにショップ機能が導入され、商品を販売できるようになります。
成功のためのヒントと活用術
SNSショップを最大限に活用し、ビジネスを成功させるためのヒントをいくつかご紹介します。
1. 高品質な商品画像・動画の重要性
Instagramは特に視覚的な要素が重要です。商品が魅力的に見える高品質な写真や動画を用意しましょう。
ユーザーの目を引き、興味を持たせるためには、商品の魅力を最大限に引き出すビジュアル表現が不可欠です。
2. 魅力的な商品説明とストーリーテリング
単に商品の機能やスペックを羅列するだけでなく、その商品を使うことで得られるベネフィットや、商品の背景にあるストーリーを語りましょう。
共感を呼ぶ説明は、ユーザーの購買意欲を高めます。
3. 定期的な投稿とプロモーション
ショップを開設したら、新商品の紹介、セール情報、限定キャンペーンなどを積極的に投稿し、ショップへの誘導を促しましょう。
ユーザー参加型のコンテンツ(例:Q&A、ユーザー投票)を取り入れるのも効果的です。
4. 広告機能との連携
Facebook/Instagram広告は、ショップへの集客を加速させる強力なツールです。
商品のターゲット層に合わせた詳細なターゲティング設定で、潜在顧客に効率的にアプローチできます。
一度ショップを訪れたユーザーに対して、リターゲティング広告で再度アプローチするのも有効です。
5. 顧客とのエンゲージメント
コメントやDMへの迅速かつ丁寧な返信は、顧客ロイヤルティを高める上で非常に重要です。
ライブショッピング機能(ライブ配信中に商品をタグ付けして販売できる機能)なども活用し、顧客との双方向のコミュニケーションを活性化させましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: FacebookショップとInstagramショップは、どちらか一方だけでも開設できますか?
A1: はい、どちらか一方だけでも開設できます。
例えば、Instagramでの販売に注力したい場合はInstagramショップのみ、Facebookのユーザー層にアプローチしたい場合はFacebookショップのみを開設するといった選択が可能です。
ただし、両方を連携して利用することで、より幅広いユーザーにリーチし、販売機会を最大化できるため、両方の開設が推奨されます。
Q2: ショップ開設に費用はかかりますか?
A2: ショップ機能の開設と基本的な利用は無料です。
しかし、商品の最終的な購入は外部のECサイトに誘導するのが一般的である為、そのECサイトの利用料や決済手数料などが別途必要になります。
また、集客のためにFacebook/Instagram広告を利用する場合は、広告費用が発生します。
Q3: どんな商品でも販売できますか?
A3: いいえ、Meta社のコマースポリシーに準拠した商品のみ販売可能です。
医薬品、アルコール、武器、成人向け商品など、一部の商品は販売が禁止されています。
ショップ開設前に必ずポリシーを確認し、禁止されている商品を販売しないように注意してください。
ポリシーに違反すると、ショップ機能が停止される可能性があります。
Q4: アプリ内で直接決済できますか?
A4: 日本国内においては、現状Metaアプリ内での直接決済は一部の例外を除き、本格的に提供されていません。
ほとんどの場合、商品タグやショップのリンクから外部のECサイトへ誘導して購入を完了する形になります。
Q5: ショップの開設から承認までどれくらい時間がかかりますか?
A5: コマースマネージャーでの設定自体は数時間から1日程度で完了する可能性がありますが、Meta社によるショップ機能の審査には通常数日かかります。
場合によっては1週間以上かかることもあるため、余裕を持って申請することをおすすめします。
まとめ
今回は、FacebookショップとInstagramショップについて、ご紹介しました。
FacebookショップとInstagramショップは、低コストで始められ、膨大なSNSユーザーに直接アプローチできるECツールです。
特に、SNSを通じてブランドの世界観を伝えながら、スムーズに購買へ繋げられる点は大きな魅力と言えるでしょう。
もちろん、設定の手間やMetaのガイドライン遵守、そして競争の激化といった課題もあります。
しかし、高品質なコンテンツ制作と積極的なプロモーション、そして顧客との良好な関係構築を心がけることで、これらのショップ機能はあなたのビジネスを大きく成長させる可能性を秘めています。
まずはスモールスタートで導入し、SNSという広大なマーケットであなたのビジネスを拡大させてみてはいかがでしょうか。
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