2025/11/18
「デザインが好きなので、デザイナーになりたいんです!」
制作会社時代、採用面接に来たデザイナー志願者がよくこんな風に語っているのを聞きました。
ヤル気に満ちていてキラキラした目をしていて、情熱は素晴らしいと思いました!
しかし、彼らに私が必ずしていた質問があります。
「好きなデザインと、求められるデザインが真逆だったら、どうしますか?」
この質問に即答できる人は、ほとんどいませんでした。
つまり「好き」という気持ちだけでは、デザイナーとして続けていくことは難しいという事。
私自身、デザイン業界に10年以上いましたが、「好き」だけでスタートした人の多くが、数年で別の道を選んでいく現実を沢山見てきました。
でも!誤解しないでください。
デザインを好きであることは、もちろん大切です。
しかし、趣味として楽しむデザインと、仕事としてのデザインには、決定的な違いがあります。
趣味なら、自分が作りたいものを、好きなペースで、誰にも文句を言われずに作れます。しかし仕事では、クライアントの要望、予算の制約、厳しい納期、チーム内の調整、そして時には理不尽な修正依頼に向き合わなければなりません。
私が駆け出しの頃、「とにかくかっこいいデザインを作りたい」という思いだけで飛び込みました。しかし、実際の現場では、地味なコーポレートサイト、時代遅れなデザインの修正、クライアントの好みに合わせた妥協の連続でした。「こんなはずじゃなかった」と、何度も思いました。
でも、今もデザインは続けています。なぜなら、「好き」を超えた「覚悟」を持てたからです。
という事で今回は、趣味と仕事の違い、プロとアマチュアの境界線、そして仕事としてデザインを続けるために必要な覚悟について、お話しようと思います!
仕事中の方は、とりあえずブックマークをして今は業務に集中して、休日にお酒でも飲みながら、
ゆっくり読む事をオススメします!
自己表現から価値提供へ
◎趣味のデザインは自己表現
自分が「かっこいい」と思うものを作り、自分が満足すればそれで完結します。
しかし、仕事のデザインは価値提供なんです。
クライアントのビジネス目標を達成し、ユーザーの課題を解決することが目的です。
残念ですが、あなたの好みは、二の次なんです。
私が最も苦しんだのは、この転換でしたね。
ミニマルで洗練されたデザインが好きだった私に、初めてのクライアントは「もっと情報を詰め込んで、派手にしてほしい」と言ってきました。
内心では「いや、お前そんな事したらダサいだけやぞ!」と思いました。
でも、それがクライアントのターゲット層に響くデザインだったんです!
つまり!自分の美意識を押し付けるのではなく、クライアントとユーザーのために最適なデザインをする。これがプロの仕事なんです。
◎「楽しい」ばかりではない日常
趣味なら、気が向いたときだけデザインすればいい。
疲れたら休み、飽きたら別のことをすればいい!
でも仕事では、そうはいきません。
体調が悪くても、気分が乗らなくても、締め切りは絶対待ってくれません。
同じようなバナーを20パターン作る単調な作業、細かすぎる修正依頼、早くて終電、ちょっともたついたら帰れない夜中までの作業。
華やかに見えるデザイナーの裏には、地味で辛い時間も多くあります。
私も、深夜に何度目かの修正依頼を受けながら、「なんでこの仕事を選んだんだろう」と思ったことは数え切れませんでした。でも、翌朝にはまたPCを開きます。それが仕事だからです。
◎お金をもらうことの重み
趣味は無償です。失敗しても、誰にも怒られないし、迷惑もかかりません。
しかし、仕事ではお金が発生します。
クライアントは対価を払い、あなたの成果を期待しています。失敗すれば、信頼を失い、次の仕事はありません。場合によっては、会社や他のメンバーに迷惑をかけることもあります。
この「責任」の重さは、趣味では決して経験できないものです。
私が初めて案件を受けたとき、納品前夜は緊張で眠れませんでした。「本当にこれで大丈夫だろうか」と、何度も見直しました。お金が発生するという事は、それくらい重い事なんです。
プロとアマチュアを分ける3つの境界線
プロとアマチュアの違いは何だか分かりますか?
私が考える3つの境界線を紹介します!
1. 締め切りを守る
アマチュアは、完璧なものができるまで時間をかけます。プロは、締め切り内に最善を尽くします。
「あと1週間あれば、もっと良いものができたのに」これはアマチュアの発想です。
プロは限られた時間で、100%完璧ではないけど、十分な品質のものを納品します。
なぜなら、クライアントは完璧な作品より、期日通りに届くことを重視するからです。
私は、「70%の完成度で期日に間に合わせる」ことを意識していました。残り30%はフィードバックを受けてから調整すればいい。この割り切りができるかどうかが、プロの条件です。
2. 感情をコントロールする
アマチュアは、気分で仕事をします。やる気があるときは頑張り、落ち込んでいるときは手が止まります。
プロは、感情に左右されません。どんな気分でも、一定のクオリティを保ちます。
私も、辛いことがあった日、体調が悪い日、気分が乗らない日、それでもできる限り手を動かします。これができるかどうかが、信頼されるデザイナーの条件です。
3. フィードバックを冷静に受け止める
アマチュアは、自分の作品への批判を個人攻撃と感じます。「こんなに頑張ったのに」と落ち込みます。
プロは、フィードバックを改善の機会と捉えます。
感情的にならず、「どう修正すればクライアントの目的が達成できるか」を冷静に考えます。
私も最初は、修正依頼のたびに傷ついていました。でも、「クライアントは私を否定しているのではなく、より良い成果を求めているだけ」と理解してから、フィードバックが怖くなくなりました。
デザイナーを仕事として続けるために必要な覚悟
「好き」を超えて、仕事として続けるために必要なものは何か。
私の経験から、3つの覚悟をお伝えします!
◎理不尽にも向き合う覚悟
仕事では、理不尽なことが起きます。
直前の仕様変更、感覚的な修正依頼、無理な納期。
正直、「はっ、なんで?」と思うことばかりです。
でも、それを受け入れるのがプロです。文句を言っても状況は変わりません。
「どうすればこの状況で最善を尽くせるか」を考える。この切り替えができる覚悟が必要です。
私は、理不尽な状況を「成長の機会」と捉えるようにしています。
制約があるからこそ、工夫が生まれ、スキルが磨かれる。そう考えると、乗り越えやすくなりますよ!
◎地味な作業も全力でやる覚悟
デザイナーの仕事は、華やかな制作だけではありません。
資料整理、ファイル管理、細かい修正、定型作業等、新人時代は特に地味な仕事も多いです!
これらを「つまらない」と手を抜く人は、信頼されません。
どんな小さな仕事も、全力でやる。その積み重ねが、信頼とキャリアを作ります!
実際、地味な仕事を丁寧にやっていたことで、大きなプロジェクトを任されたこともありました!
◎自分を更新し続ける覚悟
一度学んだスキルに満足していては、すぐに時代遅れになります。
新しいツール、新しい技術、新しいトレンド等、常にアンテナを張り、学び続ける覚悟が必要です。
正直、学び続けるのは大変です。
仕事で疲れているのに、さらに勉強するのは辛い!
でも、それをやるかやらないかで、1年後の自分のレベルが全然変わってきます!
まとめ
いかがでしたか?
今回はデザイナーを「仕事」にするという事の意味や覚悟をご紹介しました。
「好き」だけでデザイナーになるのは、正直おすすめしません。
でも、「好き」という気持ちに加えて、理不尽を受け入れる覚悟、地味な作業も全力でやる覚悟、学び続ける覚悟。これらを持てるなら、あなたはきっと良いプロのデザイナーになれると思います!
趣味と仕事は違います。でもその違いを理解し、覚悟を持って飛び込めるなら、デザイナーという仕事は、凄く華やかで大きな価値と充実感を得られる職業だと私は思います!
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