【Google広告】ディスプレイ広告がデマンドジェネレーションへ統合。運用者が抑えるべきポイント

Google ディスプレイ広告(GDN)が「デマンド ジェネレーション キャンペーン」へ統合・移行されることが発表されました。

「既存のキャンペーンはどうなる?」「今すぐ設定を変えないと広告が止まる?」と不安に感じている運用者の方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、焦って手動で切り替える必要はありませんが、事前準備を怠ると移行時にエラーが発生するリスクがあります。

今回は、Google ディスプレイ広告(GDN)が「デマンド ジェネレーション キャンペーン」へ統合されることによる変更点やスケジュールをはじめ、移行時に発生しやすいエラーの回避策まで詳しくご紹介します。

スムーズな移行に向けた準備にぜひお役立てください。

 

今回のアップデートの概要

Google ディスプレイ広告(GDN)キャンペーンが、デマンド ジェネレーション キャンペーンへ統合されます。

これにより、キャンペーン作成のワークフローや管理手順は変わりますが、従来通り200万以上のウェブサイトやアプリへ広告を配信する機能自体に変更はありません。

今回の統合の主な目的は、YouTube、Discover、Gmail、Google マップ(ベータ版)、そしてGDNといったGoogleのビジュアル面にまたがる配信を、1つのキャンペーンで一元管理し、パフォーマンスを最大化することにあります。

主な変更点とポイントは以下の通りです。

  • Googleの主要ビジュアル面への一元アクセス: 1つのキャンペーンで、GDNに加えてYouTube、Discover、Gmail、Google マップ(ベータ版)の広告枠へまとめて配信可能になります。
  • ディスプレイ広告限定の配信も継続可能: 従来通りディスプレイ ネットワーク(GDN)のみに絞った配信を行いたい場合も、設定を変更することでそのまま実施できます。
  • デマンド ジェネレーションの新機能が利用可能に: 統合により、デマンド ジェネレーションが持つ高度な機能やフォーマットをディスプレイ広告運用でも活用できるようになります。

 

段階的に進む移行ロードマップと運用者のアクション

移行は一斉に行われるのではなく、3つのフェーズに分けて段階的に進められます。

自社のアカウント状況に合わせて、適切なタイミングで対応を進めましょう。

フェーズ1:2026年6月〜「移行ツールの順次提供(準備・手動移行期)」
■アカウントの状況: 対象のアカウントから順次、管理画面上に「移行ツール」が表示されるようになります。

■運用者のアクション

  • 移行ツールを使って、まずは影響の少ないキャンペーンから試行的に移行を行います。
  • ツール経由であれば過去最大42日分のパフォーマンス履歴が引き継がれるため、この期間中に手動で移行を進めるのが最も安全です。

フェーズ2:今後順次「新規キャンペーン作成の制限(移行加速期)」

■アカウントの状況: ディスプレイ広告の「新規作成」ボタンが廃止され、新しいキャンペーンはデマンド ジェネレーション内でのみ作成可能になります。

■運用者のアクション

  • 既存のディスプレイ広告はそのまま運用・編集が可能ですが、新しく広告を立ち上げる際はデマンド ジェネレーションのフォーマットで設計するよう運用フローを切り替えます。

フェーズ3:今後予定「自動移行の実施(最終移行期)」

■アカウントの状況: 移行ツールを使用せずに残っているすべての対象キャンペーンが、Googleによって順次デマンド ジェネレーションへ自動的に移行されます。

■運用者のアクション

自動移行に頼ると、共有予算や未対応アセットなどの設定エラーによって意図しない配信トラブルが発生するリスクがあります。

自動移行が始まる前に、自前で移行ツールを使って完了させておくことを強く推奨します。

 

移行方法:2つのアプローチと選び方

GDNからデマンド ジェネレーションへの移行には、「移行ツールを使用する方法」と「手動で新しく作り直す方法」の2つがあります。

基本的には学習データを引き継げる「移行ツール」の利用を推奨しますが、運用目的に応じて使い分けましょう。

1. 移行ツールを使用する(推奨)
Googleが提供する専用アップグレードツールを使用する方法です。

■選ぶべきケース: 既存の配信成果・学習データを維持したまま、スムーズに移行したい場合。

■主なメリット

  • 学習データの継承: 過去最大42日分のパフォーマンス履歴やスマート自動入札の学習内容がそのまま引き継がれます。コールドスタート(ゼロからの再学習)による急激なパフォーマンス低下を防ぐことができます。
  • 管理の容易さ: 設定や構造をそのまま引き継ぐため、再構築の手間がかかりません。

■移行手順

  1. Google 広告管理画面の「キャンペーン」ページを開く。
  2. 移行したいディスプレイキャンペーンのチェックボックスをオンにする。
  3. 青い [編集] メニューをクリックし、[デマンド ジェネレーションにアップグレード] を選択。

■移行後の挙動と注意点

  • 移行後、システムが新しい環境に適応するまで1〜2日程度の学習期間が発生し、一時的に配信量が変動することがあります。
  • 一度ツールで変換すると、元のディスプレイキャンペーンに戻すことはできません。

2. 手動で予算を移行する

新規でデマンド ジェネレーションキャンペーンを作成し、既存のディスプレイ広告から段階的に予算を移していく方法です。

■選ぶべきケース: 移行を機に、ターゲット設定やアセット構成、キャンペーン構造を根本から見直したい場合。

■手順のイメージ

  1. 新規でデマンド ジェネレーションキャンペーンを立ち上げる。
  2. 既存のディスプレイ広告の予算を段階的に減らし(例:50%→20%)、新キャンペーンへ予算をシフトしていく。
  3. 新キャンペーンの配信が安定したら、旧キャンペーンを停止する。

注意点

  • 過去の学習データは引き継がれないため、完全なコールドスタートとなります。配信が安定するまで一定の時間と予算が必要です。
  • 旧キャンペーンと新キャンペーンが一時的に並行稼働するため、自社内でのインプレッション競合(オークションの重複)に注意が必要です。

移行完了後のチェックリスト

どの方法で移行した場合でも、切り替え直後には以下の点を確認しましょう。

  • 日の丸予算の確認: 移行当日は旧・新キャンペーン間で予算消化の調整が入るため、全体の予算上限を超えていないか確認する。
  • 配信面の確認: デマンド ジェネレーション化によってYouTubeやDiscover等にも配信が広がるため、意図通りのアセット(画像・動画)が設定されているか確認する。
  • レポートの切り替え: 過去データ比較を行う際、移行前後でキャンペーンが分かれているか(手動の場合)を把握しておく。

 

移行前に必ずチェックすべき注意点とエラー回避策

移行ツールを使用する際、旧キャンペーンの設定によってはエラーが発生して移行がストップする場合があります。

スムーズな移行のために、以下の項目を事前にチェックし、必要に応じて設定変更を行っておきましょう。

1. 共有予算の解除(必須対応)

  • 問題点: 共有予算を設定しているキャンペーンは、移行ツールの対象外となります。
  • 対処法: 移行を行う前に、該当キャンペーンの予算設定を「個別の予算」に変更してください。移行完了後、必要に応じて再設定を検討します。

2. 非対応アセット・機能の削除または見直し

デマンド ジェネレーションではサポートされていない、または仕様が異なるアセット・設定が含まれていると、移行エラーの原因になります。

■リードフォームアセット・Click-to-Call(電話番号)アセット:

  • 対処法: これらを設定している場合は、移行前にキャンペーンから取り外す(削除する)必要があります。

■広告グループ単位の調整比・除外設定

  • 問題点: デマンド ジェネレーションでは、広告グループ単位での「デバイス単価調整比」や「位置情報の除外設定」など、一部の細かな調整機能が制限・変更されています。
  • 対処法: 移行前にアカウント全体またはキャンペーン単位の設定へ集約しておくか、不要な調整比をリセットしておきます。

■クリエイティブ(レスポンシブ広告)の要件

  • 問題点: ロゴ画像が未登録の場合や、一部のプロモーションテキストが含まれているとエラーになることがあります。
  • 対処法: 高解像度のロゴ画像を追加設定し、アセットの不備を解消しておきましょう。

3. 移行当日の「1日あたりの予算」の挙動

  • 注意点: 移行を実行した当日、旧キャンペーンでそれまでに消化された予算はリセットされ、新しく生成されたデマンド ジェネレーションキャンペーンに対して改めて1日分の予算が割り当てられます。
  • 対処法: 月予算を厳密に管理している場合は、移行を実施する時間帯を「朝一番」にするか、移行当日の1日予算をあらかじめ低めに設定しておくなど、過剰消化を防ぐ調整を行っておくと安心です。

4. 元のキャンペーンには戻せない(不可逆性)

  • 注意点: 移行ツールでアップグレードを完了すると、元のディスプレイ広告キャンペーンに戻すことはできません。
  • 対処法: 誤って実行しないよう、事前に関係者(クライアントやチーム内)へ移行の同意を得た上で実施してください。

 

よくある質問(FAQ)

Q. 移行すると既存のリマーケティング(オーディエンス)リストはそのまま使えますか?

A. はい、そのまま引き継がれます。

移行ツールを使用した場合、設定されているオーディエンスリストやターゲティング設定はデマンド ジェネレーションへそのまま引き継がれます。リストを再作成する必要はありません。

Q. 移行ツールを使ったら、広告配信が一時的にストップすることはありますか?
A. 配信自体が完全に停止することはありません。

ただし、移行後の1〜2日間はシステムが新しい環境に適応するための学習期間となるため、一時的にインプレッション数や消化金額が増減するなど、配信量が不安定になる場合があります。

Q. 動画アセットを用意していなくても、デマンド ジェネレーションへ移行できますか?
A. はい、画像アセットのみでも移行・配信可能です。

デマンド ジェネレーションは動画アセットを活用することで効果を最大化できますが、画像のみ(従来のGDNアセットのみ)でも問題なく運用できます。

まずは画像のみで移行し、後から動画アセットを追加していく運用も可能です。

Q. 自動移行されるまで放置しておいても問題ありませんか?
A. 事前チェックなしで放置することは避けるのが賢明です。

自動移行時に「共有予算」や「未対応のアセット」が残っていると、移行エラーが発生して意図しないタイミングで配信トラブルに繋がる恐れがあります。

事前に設定を確認し、移行ツールを使って手動でアップグレードを完了させておくことを強く推奨します。

 

まとめ

今回は、Google広告でGoogle ディスプレイ広告(GDN)が「デマンド ジェネレーション キャンペーン」へ統合・移行される件について、ご紹介しました。

Google ディスプレイ広告からデマンド ジェネレーションへの統合は、配信面が大きく広がり、運用のパフォーマンスをさらに高める絶好の機会です。

自動移行に頼って思わぬエラーが発生するのを防ぐため、以下の「3ステップのアクションプラン」に沿って、計画的に準備を進めていきましょう。

Step 1:アカウントの事前点検(今すぐできること)

共有予算の適用状況や、リードフォーム・電話番号アセットなど、移行ツールでエラーになりやすい設定が残っていないかアカウント全体をチェック・修正しておきます。

Step 2:社内・クライアントへの共有とスケジュール確保

移行ツール使用時に1〜2日程度の学習期間(配信のブレ)が発生することや、不可逆(元のGDNには戻せない)であることをあらかじめ関係者へ共有しておきます。

Step 3:移行ツールの活用と効果検証

管理画面上で移行ツールが利用可能になったら、まずは影響の少ないキャンペーンから順次移行を開始します。

過去の学習データを維持したまま、新しい配信面(YouTubeやDiscoverなど)での成果を検証していきましょう。

事前の準備さえ怠らなければ、今回のアップデートはリスクではなく運用成果を伸ばす大きなチャンスとなります。

ぜひ本記事を参考に、スムーズな移行準備を進めてみてください。

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