2020/07/23
デザインとは
世の中にはあらゆるデザインが溢れています。
ポスターやパッケージをはじめ、WEBサイト、建造物、乗り物、標識、生活雑貨など私たちは
常にデザインと共に生活をしていると言っても過言ではないほど多くのデザインに囲まれています。
それでは、「デザイン」とは何のために存在するのでしょうか?
◆「カッコいい」「可愛い」商品を作るため
◆より多くの人に共感を与え商品の価値を上げるため
◆デザインを施すことによって人々の生活を便利にするため
などデザインをする理由も数えきれないほど沢山の理由があります。
その中でも今回は、私たちの日常生活で「無意識にお世話になってるデザイン」という部分についてお話します。
意識が吹っ飛んで睡魔が手招きするような、小難しい専門用語、理論などは抜きに書いてるので楽に読んでください。
知らなきゃ犯罪者!?お洒落ショッピングモールトイレの罠
デザインの役割という部分でよく言われるのが「ユーザーの課題を解決する」という部分です。
はい、いきなり分かりにくいですね。まぁ要するに皆さんが「スムーズに迷いなく生活できる手助けをしてくれるデザイン」と覚えて貰えたら大丈夫です。
例えば皆さんご存じ「ピクトグラム」とか!
えっ、ピクトグラムご存じない!??
「ピクトグラム」はあれです。「ちゃぶ台返し」とか「略奪婚」とか「捕まった宇宙・・・」もういいか。
そう、日常生活で見かけるのは「非常口」や「立ち入り禁止」や「トイレ」などシルエットで表されており老若男女、もしくは国籍も関係なく誰が見てもその場所や状況を瞬時に判断できる為のデザインになっています。
そういえばピクトグラムと言えば面白いエピソードがありました。
お洒落なショッピングモールなどでありがちなトイレの男性・女性のピクトグラムがお洒落過ぎてどちらが男性なのか女性なのか一瞬立ち止まって考えてしまうアレです。
そんな経験ないですか?
というのも私は何度かお洒落過ぎるトイレのピクトグラムのクイズ?に惨敗し入ってはいけない領域に足を踏み込みかけ…そのたびに。
「いやいやいや待て!!と自分だけじゃないやろコレ間違うのっ!」と他に私と同じ状況に陥る者はいないのか!と、緊急検証をするためにその後入る数人を観察していた事があるのですが、男女とも10人中8人は、やはり一瞬立ち止まって考えるか、クイズに惨敗して行ってはいけない道を進みかけていました…
これがその問題のピクトグラムなのですが、このようにデザイン一つで多くの人が戸惑ってしまう現実があるにもかかわらず、普通にそのピクトグラムが大手商業施設で採用されているんです。
建物の雰囲気に合わせる為、人々の意識の中に既に存在するトイレのピクトグラム(青:男性 赤:女性)というものの概念と重要な箇所が少しでもズレただけで人々は戸惑うことになります。
もしこのような戸惑いを与えるピクトグラムが設置されているのが、ゆっくり止まって考える事のできない高速道路などだった場合、デザイン1つで大きな事故も起こってしまうんです。
上のトイレのピクトグラムのデザインですが、勿論学ぶべき良い点もたくさんあります。
配色も昔ながらの原色の赤青ではなく、判断できる限度であろう極限まで彩度(色の鮮やかさ)を落としたシックな色使いをしている。
人物もラインで全てを描くのではなく、四角や丸の図形を組み合わせてモダンに仕上げた人型。
若干、男性のシルエットの方を大きくしている点も素晴らしい。
しかし1つ大きなミスだったのがこのデザインを人々が利用する場所だ。ゆっくり見れるPCの画面上でも、本の中でもない。
人によっては大急ぎで駆け込んで来る場合もあるトイレだ。ある程度の距離感で見る事も想定される。その点を考慮すると「色彩」「シルエット」にもうひと工夫する必要があったのではないかとも思います。
単純なモノほど難しい…デザインの世界
このようにたかがデザインといえばそれまでですが、されどデザインです。
先ほどのトイレのピクトグラムのように意味を間違っても笑話しで済ませられるものから、「非常口」「危険物」「進入禁止」など冗談では済まないモノまで沢山あります。
なので「ピクトグラム」や「ロゴマーク」やWebサイトなどで使われる「アイコン」などビジュアルだけで意味を表現するデザインは非常に単調に見えるものが多く、誰でも簡単に短時間で作れそうなイメージを持つ方が多いのですが、実は真逆で、誰もが理解できる「イラスト」やどんな状況下でも瞬時に判断ができる「色彩」「彩度」「レイアウト」など様々なデザイン要素を計算し織り交ぜ、少ない空間で表現しながらデザイン設計する事が必須になります。
そうやって出来た1つの「デザイン」で世界中の人達の多くの課題を解決していく。
それが「デザインの役割」なんです。
まとめ
いかがでしたか。
今回は「ピクトグラム」というモノを題材にしてビジュアルのみで表現するデザインについてのお話でした。
皆さんの生活空間の中には今日お話ししたピクトグラムが溶け込むように多く存在しています。
それはあまりにも自然で、無意識レベルで私たちの生活をスムーズにする役割を果たしてくれています。
次回、街中を歩く時、そんなデザインに注意しながら歩いてみてください。
きっと色んな面白いデザインと出会う事ができますよ。
デザインは本当に奥深くて楽しい世界です。
今日はこのくらいにしましょう。