2020/07/22
Google広告の入札戦略について
Google広告で広告配信するためには、同じ掲載枠に広告を掲載したい他社との入札オークションに勝つ必要があります。オークションに勝ち、より効果の良い掲載面を獲得したりするために、どのような入札方法を行っていくかを入札戦略といいます。入札戦略では、入札単価を決める方法として、手動で入札単価を調節する「手動入札」と、Googleの学習機能で得たデータから自動で入札単価を調節してくれる「自動入札」の2種類があります。またその中でも、どの指標(コンバージョンやクリックなど)を重要視するのかといった入札戦略を選択することもできます。
入札戦略の種類
Google広告では、数ある入札戦略の中からキャンペーンの目的によって入札戦略を選択することができます。また、ディスプレイと検索によって選択できる入札戦略が変わります。
●ディスプレイ/自動入札
・目標コンバージョン単価・目標広告費用対効果
・コンバージョン数の最大化
・視認範囲のインプレッション単価
●ディスプレイ/手動入札
・個別クリック単価制
・拡張クリック単価制
●検索/自動入札
・目標コンバージョン単価
・目標広告費用対効果
・クリック数の最大化
・コンバージョン数の最大化
・コンバージョン値の最大化
・目標インプレッションシェア
●検索/手動入札
・個別クリック単価制
・拡張クリック単価制
各自動入札の特徴
入札戦略はディスプレイ広告と検索広告で数多くあるので、今回は共通して使用できる自動入札戦略の特徴について説明していきます。(手動で調節する個別クリック単価制と拡張クリック単価制という入札方法は現在、Googleでは推奨していないので説明を省きます。)
●目標コンバージョン単価
指定した目標コンバージョン単価の範囲で最大のコンバージョンを獲得するように、入札単価を自動で調節する入札戦略です。例えば目標コンバージョン単価を2000円に設定すれば、2000円でコンバージョンを獲得できるよう自動で入札単価を調整します。過去のコンバージョンユーザーなどのデータからGoogleが学習するので、コンバージョンデータが十分に蓄積されていない場合は、精度が低くなることがあります。
●目標広告費用対効果
指定した目標広告費用対効果(ROAS)の範囲の中で、最大数のコンバージョンを獲得できるように自動で入札単価を調整します。例えば500円の商品と1万円の商品が合った場合、低単価で獲得できる500円の商品ばかりが売れてしまう場合、全体の広告費用対効果が悪くなってしまいます。そのような場合に、「目標費用対効果」を設定することで、コンバージョンによって得られる売上を考慮して、費用対効果を最大にするように入札戦略を行います。ECサイトなど、色々な価格帯のある場合などに有効的な入札戦略になります。
※この機能を発揮するには、売上計測ができるようにコンバージョンタグを調整する必要があります。
●クリック数の最大化
指定した予算内でキャンペーンのクリック数を最大化する入札戦略です。運用初期段階でクリックデータを集めたい場合、サイトへのアクセスを増加させたい場合、認知を拡大させたい場合などの目的の場合に有効的です。予算内でクリック数を最大化することを目的としているので、アクセスの質は悪くなる可能性もあります。
●コンバージョン数の最大化
指定した予算内で最大限のコンバージョン数を得られるように、自動で入札単価を調節します。キャンペーンで設定されている日予算を全部使い切ろうとするので、消化額が急に増えたり、日予算を大きく上回る場合もあります。目標のコンバージョン単価が決まっていない時や、コンバージョンをとにかく増加させたい場合に有効的です。他の自動入札をする前の準備として、コンバージョンデータを蓄積したい場合に選択することがあります。
ポートフォリオ入札とは
ポートフォリオ入札とは、キャンペーンごとで入札戦略を設定するのではなく複数のキャンペーンやグループに対して入札戦略を設定できることが出来ます。例えば「キャンペーン1」と「キャンペーン2」をポートフォリオ入札で目標CPA5000で設定すれば2つのキャンペーンでCPA5000以内で獲得できるように自動で調整されます。各キャンペーンでCPAに差がある場合や、機械学習に必要なデータを素早く貯めるのにも役立ちます。
入札戦略の設定方法
各入札戦略の設定方法をご説明します。
●自動入札の設定方法
①左から一番目のメニュー欄から該当のキャンペーンを選択します。
②左から二番目のメニュー欄から「設定」を選択します。
真ん中画面の項目の中から「入札単価」という項目を選択すれば入札方法を指定できます。
●ポートフォリオ入札の設定方法
①右上の「ツールと設定」を選択します。
②共有ライブラリの中の「入札戦略」を選択すると
自動入札設定時と同じような画面になるので任意のキャンペーンと指標を選択します。
注意点
自動入札の注意点として、大きな変更をした際に、学習期間があります。この期間は長くて2~3週間に及ぶことがあるので、配信期間が短い案件には使いづらいです。また、学習期間に入ってしまうと数値が安定しないので、頻繁に変更することはあまり好ましくありません。
まとめ
Google広告が自動入札を推奨していることからも、自動入札の精度は日々上がってきています。自動入札を活用することで運用工数を削減できたり、効率的に広告配信ができるので使用を進めていくべき機能だと思います。しかし、現状では自動化機能も完璧ではないので、状況に応じて自動化でできない部分は適宜、手動でフォローをしていくことが望ましいと思います。目的にあった入札戦略を活用して、より広告効果の高い広告運用を心がけましょう!