2025/05/21
Webサイトの表示速度や検索順位に影響する「リダイレクトチェーン」という現象をご存知でしょうか。
これは、多くのWeb担当者やサイト運営者が知らぬ間に陥ってしまう落とし穴の一つであり、放置しているとSEOパフォーマンスが大きく低下する可能性があります。
今回は、リダイレクトチェーンの仕組みと発生原因、実際にどのような悪影響があるのか、さらに自サイトで発生しているかを確認する方法と解決策などについて、ご紹介します。
リダイレクトチェーンとは何か?
リダイレクトチェーンとは、1つのURLにアクセスしたときに、目的のページにたどり着くまでに複数のリダイレクトを経由してしまう状態のことです。
例えば、あるページをリニューアルした結果、旧ページ(URL A)を新ページ(URL B)にリダイレクトし、更にその後にURL BをURL Cに変更したとします。
この時、URL Aにアクセスしたユーザーは、自動的にBへ、次にCへと2段階の転送を経てようやく目的地にたどり着くことになります。
このように、リダイレクトが1回で完結せず、途中で複数のURLを経由して連鎖的に遷移する状態を「リダイレクトチェーン」と呼びます。
検索エンジンのクローラーやユーザーのブラウザは、それぞれの転送を逐次処理しなければならない為、表示速度の低下やクロールエラーなどを引き起こすリスクがあります。
リダイレクトチェーンが起こる原因
意図せずに発生するケースがほとんど
リダイレクトチェーンは、ほとんどの場合意図せずに発生します。
以下のような状況で、過去の設定が残ったまま重複していることがよくあります。
・サイトリニューアルの繰り返し
旧URL → 新URL → さらに新URLというように、過去のリダイレクト設定が残っていると自然とチェーンが形成されます。
・http⇔httpsやwwwの有無に関する設定ミス
正規化のためにwwwあり/なしやSSL移行時のリダイレクト設定が複雑に絡むと、複数のリダイレクトが積み重なってしまいます。
・CMSやプラグインによる自動設定
WordPressなどのCMSは、URL変更時に自動でリダイレクトを生成します。これに気づかず何度も修正を加えると、知らない間にチェーンが発生していることがあります。
稀に意図的に設定されることもある
一部では、意図的に中間ページを挟むケースもあります。
例えば、下記のような意図でリダイレクトチェーンを設定していることがあります。
・キャンペーンページの一時的な経由
プロモーションのために中間ページを設けて期間限定のリダイレクトを設定するケース。
・アクセス解析やA/Bテストのための中継リダイレクト
ユーザー行動を計測する目的で一時的にリダイレクトを挟む場合があります。
しかし、これらもあくまで一時的なものであり、長期間残すべきではありません。
リダイレクトチェーンが引き起こす問題点
リダイレクトチェーンは、SEOにおいてさまざまな不利益をもたらします。
下記がリダイレクトチェーンによる主なデメリットになります。
・ページ表示速度の低下
複数回のリダイレクトを経ることで、ユーザーが最終的なページにたどり着くまでの時間が増加します。特にモバイル回線ではこの影響が顕著で、離脱率の上昇につながりかねません。
・クローラビリティの低下
Googlebotなどの検索エンジンクローラーは、5回以上のリダイレクトがあるとクロールを打ち切ることもあるとGoogleが公式に述べています。つまり、重要なページがインデックスされなくなる可能性があるのです。
・被リンク評価の分散・損失
リダイレクトを通じてリンク評価(リンクジュース)はある程度引き継がれますが、複数回のリダイレクトを通ることで評価が減衰するリスクがあります。SEO観点では、1回で確実に伝達させるのが理想です。
・リダイレクトループの危険性
最悪の場合、リダイレクトが無限ループ(例:A → B → A)を引き起こし、ユーザーもクローラーもページを閲覧できなくなります。こうなると重大なサイト障害になります。
自分のサイトでリダイレクトチェーンが発生しているか確認する方法
では、リダイレクトチェーンが実際に自社サイトで発生しているかどうかを確認するにはどうすればよいのでしょうか。
自社サイトでリダイレクトチェーンになっているか確認する方法は、下記のようにいくつかあります。
無料で使えるオンラインツール
リダイレクトチェーンの確認には、次のような無料ツールが便利です。URLを入力するだけで、どのようなリダイレクトが発生しているかを視覚的にチェックできます。
・WhereGoes(https://wheregoes.com/)
入力したURLがたどるリダイレクトの流れを1ステップずつ表示してくれるツール。視覚的に流れを把握しやすく、初心者にもおすすめです。
・HTTP Status(https://httpstatus.io/)
複数のURLを一括で検査できるツール。ステータスコードやヘッダー情報まで確認できるため、技術者にも人気があります。
・Redirect Path(Chrome拡張)
ブラウザ上でページを開いた際に、どのようなリダイレクトが行われているかリアルタイムで確認できる拡張機能。インストールしておけば常時確認が可能です。
これらのツールでは、入力したURLに対して何回リダイレクトが発生しているか、そのステータスコードは何かを確認することができます。
Screaming Frog SEO Spiderを使う
より本格的に確認したい場合は、Screaming Frog SEO Spiderというデスクトップアプリが有効です。
無料版でも最大500URLまでクロール可能で、「Redirect Chains」のレポート機能を使えば、どのURLがチェーンに含まれているかを一覧で出力できます。
Google Chromeの開発者ツールを使う
1ページ単位であれば、Chromeの開発者ツールを下記の流れで使ってリダイレクトの流れを確認することも可能です。
1.対象ページを開く
2.キーボードの「F12」または右クリック→「検証」で開発者ツールを表示
3.「Network」タブを開き、ページを再読み込み
4.リクエストが複数のURLに渡っている場合、リダイレクトが発生していることが確認できます
リダイレクトチェーンの解消方法とベストプラクティス
リダイレクトチェーンを見つけたら、できるだけ早く修正することが重要です。
直接的なリダイレクトに書き換える
チェーンになっているリダイレクトは、最初のURL(A)から最終的なURL(C)に直接リダイレクトするように設定を変更しましょう。
.htaccessやサーバー側の設定ファイルを見直すことで対応できます。
古いリダイレクトルールの整理
リニューアルのたびに追加された古いルールが残っていると、複雑なチェーンの温床になります。
定期的にリダイレクト設定を棚卸しして、不要なものを削除することが大切です。
CMSやプラグインの挙動を見直す
WordPressなどでは、URL変更時に自動リダイレクトが生成される為、プラグインの設定やURL履歴の確認も必要です。
知らぬ間に複数の転送ルートが作られていることもあります。
まとめ
今回は、リダイレクトチェーンについて、ご紹介しました。
リダイレクトチェーンは、見た目では気づきにくいものの、検索エンジンの評価・ユーザー体験の両面で深刻な影響を及ぼします。
特に意図せず発生するケースが大半である為、定期的にチェックする仕組みを持つことが重要です。
サイトを健全に保ち、SEO効果を最大化するためにも、ぜひこの記事で紹介したツールや方法を活用し、自社サイトのリダイレクト状況を見直してみてください。
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