2020/07/08
動的検索広告(DSA)とは
Dynamic Search Adsの略で、Webサイトの内容に基づいた広告文を自動で生成、ターゲティング表示をする広告です。DSAはリスティング広告の一種ですが、通常の検索連動型広告とは異なり、キーワードの代わりに対象ページを登録することが特徴です。
従来の検索連動型広告では、広告主が予め設定したキーワードとユーザーの検索語句が一致したときに広告が表示される仕組みとなっています。それに対しDSAでは、広告主はキーワードではなくWebサイト(ページ)自体を登録しておきます。
検索エンジンがWebサイトの情報を解析し、ユーザーがWebサイトの情報と関連性の高い検索語句で検索したとき、自動で広告を表示する仕組みです。
DSAがマッチする広告主
以下の特徴に合う広告主は、DSAの効果を最大化しやすいでしょう。
●商品数が多い、情報の更新が多い業種
多数のキーワードを登録する必要がないため、膨大なランディングページが想定されるECサイトや不動産情報サイト・旅行情報サイト・飲食店情報サイトなどには向いているでしょう。
●SEO対策がしっかりとされているサイトを持つ
DSAの広告見出しは検索された語句とLPによって自動的に生成されるため、WebページがSEOの考え方に基づいて構成されていなかったり、関連するキーワードが入っていなければ適切な効果を発揮することができません。そのため、クロールの対象となるWebページに基本的なSEO対策がされていることが前提です。
●新規参入の分野で、他社より早く検索優位性を確立したい
想定されるキーワードの選定や、すり合わせにかける時間を短縮できます。
そのため、新しい市場の商品などで活用すると、通常の検索広告で広告配信をする競合他社よりも早く広告を配信できる可能性が高まります。
仕組み
広告がクリックされた際に広告配信したいページのURLをGoogle Adsに指定
Googleが指定されたページをクローラーで読み取り、コンテンツの内容をインデックスする
インデックスされたページのコンテンツと関連性の高いキーワードが検索されたとき、広告を表示する
広告の見出しとURLはユーザーに合わせて自動生成される
※広告配信したいページの対象URLも「すべてのWebページ」「カテゴリ指定」「現在使っているランディングページ」「ページフィード」「特定のWebページ」から選択することができ、広告範囲の細かな設定が可能です。
※広告の見出しとURLはGoogleによって自動生成されます。URLは登録してあるページ内から選択されます。ただし、説明文はキーワード指定の場合と同様に手動で作成したものが表示されるため、さまざまな見出しに合う汎用性の高い文章を用意する必要があります。
【説明文1:全角45文字(半角90文字) 説明文2: 全角45文字(半角90文字)】
メリット
●広告主が想定していなかった新しいキーワードの発見に繋がる
任意のキーワードを対象にした検索連動型広告では網羅しきれない具体的なキーワードや長いキーワード、3語以上の複数のキーワードで検索する顕在的なユーザーに対し、適した広告を表示させることができます。広告主が思いつかなかった新しいキーワードの発見にも繋がり、運用の幅を広げていくこともできます。
●商品数が大量にあるECサイトや、移り変わりの激しい情報をもつサイトの広告設定の負担が減る
ECサイトや不動産情報サイトなど、膨大な量の商品詳細ページを持つサイトや型番検索の多い広告主の場合、キーワード選定・登録・広告文作成の手間も非常に大きくなります。DSAを活用すれば、このような作業が軽減されるため運用コスト削減に有効です。
またDSAは、Googleが対象のWebページから常に最新の情報を取得するため、在庫の有無や価格変更などで情報の更新が多いサイトにも向いています。
●CPAの改善
競合があまり買わないニッチワードのためCPCが安い傾向がある、具体的なキーワードで検索する顕在層へ広告表示できる、誘導先のページがユーザーの検索キーワードとマッチしているなどの特徴があるため、キーワード指定の広告のみを運用するよりCPAの改善が見込めます。
注意点
DSAは検索連動型広告の運用を自動化する便利な手法ですが、広告全般に言えるようにターゲティングがきちんとされていなければその効果を最大化することはできません。以下では、DSAのターゲティング精度を高めるためのポイントをご紹介します。
●対象ページのSEO対策
Googleのクローラーが自動でコンテンツを読み取るため元のサイトの情報がしっかりしているほど広告の精度が増します。
●説明文
広告の見出しは自動で作成されますが、説明文は手動で登録したものが反映されるため説明文の表現を工夫し、ターゲットの呼び込み・選別を行いましょう。
●キーワードごとの入札単価は調整できない
DSAでは、個々のキーワードの入札単価を調整することができません。
成果が出ているキーワードについては、従来の検索連動型広告でキーワード登録しておき個別に入札単価を調整するのも一つの手です。
●成果に繋がりにくい対象ページやキーワードは除外設定しておく
DSAでは、特に指定をしなければ成果に繋がりにくい対象ページ(会社概要、在庫切れ商品のページなど)やキーワードを拾って広告表示させてしまいます。なので、そのようなページやキーワードは予め除外設定しておきましょう。
例えば在庫切れ・完売などのキーワードを除外することで、在庫切れページを表示しないようにすることもできます。
まとめ
今回は、「動的検索広告(DSA)」について説明いたしました。
DSAは、手動で任意のキーワードを指定する検索連動型広告と比べて手間がかからないなどのメリットがあります。特に、多くの商品を抱えている業種の方にはおすすめとなる広告出稿方法です。しかし、自動化に任せて細かな調整やチェックを怠れば期待通りの効果は得られません。
DSA導入のメリット・デメリットを検討した上で、自社との相性がよいと判断された広告主の方は、ぜひDSAを取り入れてみてください。
動的検索広告(DSA)を活用して、より効率的にリスティング広告を運用していきましょう。