運用効率と広告効果を最大化!Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)に「ポートフォリオ入札」機能が追加へ

2025/10/15

毎日の運用業務で、複数のディスプレイ広告キャンペーンの入札調整や効果のバラつきに悩まされていませんか?

この課題を解決し、運用効率とパフォーマンスの安定化を飛躍的に高める強力な新機能がYahoo!よりリリースされました。

Yahoo!広告のディスプレイ広告(運用型)では、複数キャンペーンの運用を最適化する「ポートフォリオ入札」機能が、2025年10月14日(火)に提供開始される予定です。

この機能は、アカウント全体のパフォーマンス向上を目指す運用担当者にとって、工数削減と広告効果の安定化を両立させるカギとなります。

今回は、このポートフォリオ入札機能の概要やポイントをご紹介します。

 

ポートフォリオ入札とは? 機能の概要と仕組み

ポートフォリオ入札とは、アカウント単位で入札戦略を作成し、それを複数のキャンペーンに適用できる機能です。

従来の入札戦略がキャンペーン単体で最適化を目指していたのに対し、ポートフォリオ入札では、同一のポートフォリオにまとめた複数のキャンペーン全体で入札価格を最適化します。

システムは、ポートフォリオ単位で設定された目標(コンバージョン数やROASなど)を達成できるよう、キャンペーン間の配信状況を考慮しながら、リアルタイムで入札価格を調整します。

従来の入札との違い:「個別最適」から「全体最適」へ
既存の「キャンペーン個別入札」と、今回の「ポートフォリオ入札」の最も大きな違いは、最適化と管理の「単位」です。

・最適化の単位

  • 従来:キャンペーン単体
  • 新機能:ポートフォリオ内の複数キャンペーン全体

・目標設定

  • 従来:キャンペーンごと
  • 新機能:ポートフォリオ全体で一括設定

ポートフォリオ入札の導入により、運用担当者は「キャンペーン個別最適」から「アカウント全体最適」へと視点を移し、より戦略的な運用が可能になります。

 

運用担当者にとっての2つの大きなメリット

この新機能は、日々の運用業務とキャンペーンパフォーマンスに以下のようなメリットが考えられます。

メリット1:運用工数の大幅な削減
複数キャンペーンの入札戦略を一括で管理・調整できるようになります。

キャンペーンごとに個別の入札戦略を設定・監視する手間が大幅に減り、より戦略的な施策立案やクリエイティブ改善に時間を割くことが可能になります。

 

メリット2:広告効果の向上と安定化
特に配信開始直後や実績が少ないキャンペーンであっても、ポートフォリオ内の他のキャンペーンのデータも活用して入札が最適化されます。

これにより、データの蓄積が十分でないキャンペーンでも、比較的安定した広告配信と目標達成が期待できます。

 

「共有予算」機能との相乗効果

ポートフォリオ入札は、「キャンペーン間の共有予算」機能と組み合わせることで、その効果を最大化できます。

ポートフォリオ入札が「入札価格」をキャンペーン横断で最適化するのに対し、共有予算機能は「予算配分」を横断的に調整します。

この組み合わせにより、予算配分と入札調整の両面で、ポートフォリオ全体として目標値達成の可能性を高めることが可能です。

 

ポートフォリオ入札の具体的な活用イメージ

「具体的にどのキャンペーンをまとめるべきか?」これは運用担当者が最初に抱く疑問でしょう。

ここでは、ポートフォリオ入札の具体的な活用シーンを紹介します。

【活用事例1:ECサイトのROAS最適化】

状況: ECサイトで「Aカテゴリ(高単価)」「Bカテゴリ(低単価)」「Cカテゴリ(新商品)」の3つのキャンペーンを運用中。**アカウント全体のROAS 300%**を目指す。

運用: 3つのキャンペーンを一つのポートフォリオにまとめ、目標ROAS 300%を設定。

結果: AIが自動で、効率の良いAカテゴリキャンペーンに積極的に予算と入札を集中させます。一方、実績が少ないCカテゴリキャンペーンでも、A・Bカテゴリの学習データを利用して入札されるため、全体目標達成に向けて最も効率的な予算配分と入札調整が自動で実行されます。

【活用事例2:新規キャンペーンの立ち上がり支援】

状況: 長期運用している「既存顧客向けキャンペーン」と、立ち上げたばかりでコンバージョン実績が少ない「新規顧客向けキャンペーン」があり、両方で目標CPA 5,000円を目指したい。

運用: 両キャンペーンを同一のポートフォリオに設定し、目標CPA 5,000円を設定。

結果: 実績豊富な既存キャンペーンの学習データや入札傾向が共有されるため、新規キャンペーンが通常よりも早く安定した配信と目標CPAへの収束が期待でき、データ不足による機会損失を防げます。

【活用事例3:ローカルビジネスのエリア横断最適化】

状況: 3つの異なる都市(東京、大阪、福岡)で店舗を運営しており、それぞれエリア別のキャンペーンを運用中。全体として月間リード数500件を目指している。

運用: 3つのエリアキャンペーンをポートフォリオにまとめ、目標コンバージョン単価を設定。

結果: 例えば東京エリアのパフォーマンスが一時的に低下しても、大阪・福岡エリアのパフォーマンスが高い場合、ポートフォリオ全体で目標達成を優先するため、予算と入札の調整が実行されます。これにより、エリアごとのブレに左右されず、アカウント全体の目標を安定的に達成しやすくなります。

 

利用時に注意すべき重要な3つのポイント

ポートフォリオ入札を効果的に活用するため、運用担当者は以下の点に注意が必要です。

■最適化はポートフォリオ全体で行われる

配信はポートフォリオ全体での目標達成を優先するため、キャンペーンごとの利用金額やパフォーマンスには差異が生じる場合があります。個々のキャンペーンの目標達成にこだわる場合は、従来の入札戦略を維持してください。

■キャンペーン目的「アプリ訴求」は対象外

キャンペーン目的が「アプリ訴求」の場合、現時点ではポートフォリオ入札を利用できません。

■キャンペーンエディターの利用制限に注意

実施日以降、キャンペーンエディターから利用する場合は最新バージョンへのアップデートが必須です。古いバージョンのエディターでポートフォリオ入札設定済みのキャンペーンを更新すると、設定が解除され、個別の入札設定として上書きされてしまうため、特に注意が必要です。

 

Q&A:ポートフォリオ入札に関するよくある質問

Q1:ポートフォリオ入札は、どの自動入札戦略に対応していますか?

A:自動入札戦略(クリック数の最大化、コンバージョン数の最大化、目標コンバージョン単価、コンバージョン価値の最大化、目標広告費用対効果など)に対応することが想定されます。

Q2:ポートフォリオ入札を設定後、地域や曜日などの個別調整は有効ですか?

A:ポートフォリオ入札は入札価格の最適化を担うため、地域や曜日などの入札価格調整率は一部無効になる場合があります。

Q3:新規キャンペーンはすぐにポートフォリオに追加して良いですか?

A:ポートフォリオ入札は、実績が少ないキャンペーンに既存キャンペーンの学習データを活用させることで、立ち上がりを支援できるメリットがあります。

しかし、実績の多いキャンペーンに配信が偏り、新規キャンペーンのインプレッションやコンバージョンが伸び悩む可能性も考慮する必要があります。

その為、新規キャンペーンをポートフォリオに追加する際は、目標値やターゲティングが既存キャンペーンと共通しているかを慎重に確認し、導入初期には配信状況を注意深く監視することを推奨します。

 

まとめ

今回は、Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)で導入されるポートフォリオ入札について、ご紹介しました。

今回追加されるポートフォリオ入札機能は、手動での入札管理工数を削減し、アカウント全体の目標達成を支援する強力なアップデートです。

導入を検討する際は、以下の3点を意識してください。

  • 視点の転換: 個別キャンペーンの最適化から、ポートフォリオ全体での目標達成へと運用視点を切り替える。
  • グループ化の基準: 共通のKPI(目標)を持つキャンペーン同士をグループ化する。新規キャンペーンの立ち上げ支援にも有効。
  • 注意点の確認: 最適化の偏りが生じる可能性や、キャンペーンエディターのバージョン制限など、利用時の制約事項を事前に把握する。

2025年10月14日(火)の機能リリース後、まずは小規模なグループでテスト運用を行い、ポートフォリオ入札による効率化をぜひ実感してください。

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