マイクロコンバージョンの活用と測定方法

2020/07/16

マイクロコンバージョンとは?

最終的な成果となるコンバージョンに至る前の、中間目標として設定するコンバージョンのことです。
今回のコラムでは、下記の場合を例にとって説明を進めていきます。

【例】
Webページの目的は「問い合わせの獲得」。
動線は「Webサイトで問い合わせボタンを押す→入力フォームへ遷移→データ送信後、問い合わせ完了ページの表示」
この場合、下記のようにコンバージョン設定をすることができます。

 ・問い合わせ完了
  ⇒最終目的なので、最終コンバージョンとして設定する。

 ・入力フォームへの遷移
  ⇒最終目標ではないが、Webサイト→サンクスページの中間地点になっている。
   フォームへのアクセスがあるか確認するため、マイクロコンバージョンとして設定する。

 

マイクロコンバージョン設定のメリット

①ページやフォーム改善の指標として活用できる。
最終コンバージョンの値とマイクロコンバージョンの値を比較することで、下記のように改善箇所の仮説を立てやすくなります。

・広告クリックでWebサイトへのアクセスはあるが、入力フォームへの遷移が少ない。
 Webページの改善の必要がある可能性が高い。
 ニーズと訴求が合っていない、フォームへの動線がわかりづらい、適切なタイミングでアクションポイントが無いなど。

・入力フォームへの遷移はあるが、最終コンバージョンである問い合わせに結びつかない。
 Webページは送客ができているが、フォーム改善の必要がある可能性が高い。
 項目数が多く入力ハードルが高い、入力の指示内容が不親切で離脱に至っているなど。

②広告運用の指標/自動入札に活用できる。
商材によっては、コンバージョンが月に数件しか発生しない商材もあるかと思います。
その場合、データ数が少なく、各施策の結果を比較/判断しづらいことがあります。

そんなときにマイクロコンバージョンを活用すると、どちらの施策のほうがフォームにユーザーが多く辿り着いているかなど、判断の軸を増やすことができます。

また、広告配信では主流になってきている「自動入札」を使う際、マイクロコンバージョンの結果を含めて最適化することもできます。
そのため、適切なマイクロコンバージョンを設定すれば、最終的なコンバージョン増加にも繋がる可能性があります。

マイクロコンバージョン設定のデメリット

①コンバージョン管理が煩雑になる。
これまで管理していたコンバージョンに加え、マイクロコンバージョン分の指標が増えます。
なので、管理画面でのコンバージョン確認時やレポート作成時に数値を切り分ける必要が出てきます。
管理画面では設定したコンバージョンの合算値が表示されるため、分割→コンバージョンアクションで数値を把握するなどの対応が必要です。

②適切なポイントを設定しないと、分析や自動入札に悪影響が出ることがある。
あくまで「最終コンバージョンに寄与するポイント」を設定しないと、分析にあたって不要な指標が増えてしまうことになります。
また、自動入札に活用する場合は、より獲得しやすいマイクロコンバージョンの獲得に向けてキャンペーンが最適化されることがあります。
その結果、マイクロコンバージョンは増えるのに最終コンバージョンが増えない、ということも起こります。

この場合は下記のような対応が必要になります。
 ・最終コンバージョンへの転換率を考慮して目標CPA額を設定し直す。
 ・配信結果を見て、最終コンバージョンに繋がらない検索語句は除外する。
 ・マイクロコンバージョンが多い場合は、最終コンバージョンに関連が高いものだけを残す。

設定方法

Google広告のコンバージョン設定を例に説明いたします。

基本的な設置手順については、通常のコンバージョンタグ設置と同様になります。
コンバージョンタグ設置の基本については、下記の記事を参考にしてください。

Googleタグマネージャーの導入方法:https://bop-com.co.jp/column/1891

 

Google広告:コンバージョン設定を行う

Google広告にログインし、「ツールと設定」から「コンバージョン」を選択します。


コンバージョンの設定画面が開くので、「+」の新規追加を選択します。


任意のコンバージョン種類を選択します。
今回は「フォームページへのアクセス」をコンバージョンとするので、「ウェブサイト」を選択します。



設定したい内容に沿って、項目の入力を進めていきます。


マイクロコンバージョンを自動入札に活用したい場合は、「コンバージョン列に含める」にチェックを入れてください。


タグ設定の画面になったら「Googleタグマネージャーを使用する」のタブを選択します。
タグマネージャーでの設定に使用する「コンバージョンID」と「コンバージョンラベル」を控えておきます。

 

Googleタグマネージャー:トリガーの設定

「問い合わせフォームへアクセスした時」に発火するトリガーを作成していきます。
Googleタグマネージャーにログインし、「トリガー」→「新規」ボタンを選択します。


下記のように設定を進め、保存ボタンを押します。
 ・トリガー名:管理しやすい任意の名前
 ・このトリガーの発生場所:問い合わせページのみなので、「一部のページビュー」。
  Page URLに問い合わせページのURLを指定する。

 

Googleタグマネージャー:タグの設定

最後にコンバージョンタグの設定を行います。
Googleタグマネージャーで「タグ」→「新規」ボタンを選択します。



下記のように設定を進め、保存ボタンを押します。
 ・タグ名:管理しやすい任意の名前
 ・タグの種類:Google広告のコンバージョントラッキング
 ・コンバージョンIDGoogle広告のコンバージョン設定で控えたコンバージョンID
 ・コンバージョンラベル:Google広告のコンバージョン設定で控えたコンバージョンラベル
 ・トリガー:先程設定した問い合わせページで発火するトリガー



Googleタグマネージャー:タグの動作確認

設定が終わったら、「プレビュー」モードに切り替えます。
マイクロコンバージョンに設定した問い合わせフォームのページにアクセスし、タグが発火していることを確認します。


Google広告管理画面での各コンバージョン確認方法

コンバージョン設定時に「コンバージョン列に含める」を選択した場合、管理画面の「コンバージョン数」にはコンバージョン数とマイクロコンバージョン数を足した総数が表示されます。
それぞれの数値を確認したい場合、下記の手順で表示が可能です。

・「分類」を使う方法
Google広告の管理画面で「分類」を選択し、「コンバージョン」→「コンバージョンアクション」と選択します。

 

そうすると、設定したコンバージョンごとの数値を確認することができます。



・コンバージョンアクション一覧画面から確認する方法
「ツールと設定」→「コンバージョン」を選択します。


設定したコンバージョンアクション一覧が表示されるので、こちらから確認することもできます。

 

 まとめ

今回は、マイクロコンバージョンの活用方法について解説しました。
過去のコラムの”スクロール率の計測”と合わせるなどすると、様々なポイントをマイクロコンバージョンに設定することができます。
Webサイト改善の指標や、日々の広告運用に役立てて頂けますと幸いです。

■関連記事

Googleタグマネージャーを使ったコンバージョンタグの設置方法

Googleタグマネージャー:スクロール率からリマーケティングリストを作成する方法

 

シェア
ツイート